昨夜は渋谷でディーヴォとポリシックスのライブを観たあと、新宿西口のホテルに泊まった。京都と比べると東京はずっと涼しいのに驚く。かといってすることがあるわけでない私は、昼間は九段下の「斑鳩」、それから湯島の「大喜」とラーメン店を渡り歩いたりした。どちらも人気店なので30分ほど並ぶ。2軒まわってまだ午後2時にもならない。しかたなく御徒町のネットカフェでまた3時間ほど入り浸った。東京に私の居場所はない。
そして、土曜日と同じく「りんかい線」に乗り新木場駅へ向かう。今日の会場は「新木場STUDIO COAST」という大きめのライブハウスだ。駅に降りると、いかにもパンクという雰囲気の人たちが目立つ。行く場所は私と同じにちがいない。5分ほど歩いて迷うことなく会場にたどり着いた。午後5時半、まだ開場まで30分近くあるけれど、すでに人はけっこう集まっている。
客層を見ると奇抜な格好の人が目につく。やはりピストルズの出会いによって人生のどこかが狂ってしまったのだろうか。他に、ローリング・ストーンスやルー・リードやAC/DCのTシャツを着ている人もいる。
服装以外にも気づいたことがある。やたら缶ビールを片手にやってくる人が多いのだ。しかも500ml缶である。今からそんなに飲んでいたら開演までにどうなるのだろう。せめて350ml缶くらいにしてほしい。
午後6時をしばらく回って開場入りである。私の整理番号は776番とかなり後半であったけれど、実際に入ったら前はかなり空いていた。暴れる人が多いと予測される一方、なるべく近くで観たい気持ちもあるので、前方の左側に立って開演を待つ。周囲には外国人、しかも英語圏ではない人が大きな声でおしゃべりをしている。ふと横を見ると小さな女の子もいるではないか。こんなところに連れてくる親の顔が観たい。そんな風景を見ているうちに照明が落ちる。もの凄い歓声の中、スピーカーからは英国国歌“God Save The Queen”が流れ出し、あのセックス・ピストルズが目の前に登場した。といっても、私は特に感慨は湧かなかったけれど。
ジョン・ライドンはずいぶん体格は良くなってしまったものの、あのまなざしは昔と変わらない。ステージに缶ビールなど物を投げつける輩がいた。しかしその程度でバンドは微動だにしない。イギリスと日本の国旗を結んだものを掲げてから“Pretty Vacant”で演奏が始まった。
会場に来た人はピストルズに対してそれぞれ思いを抱いていたに違いない。過剰な期待を持った方もいただろう。しかし私は、お客が喜んで帰ったらそれで良い、という程度の思いしかなかった。そもそもピストルズが「まともな」活動をしていた時期などない。出発はマルコム・マクラーレンがでっちあげたグループだし、さきほど「ウィキペディア」に載っていた彼らの歴史にいたっては、
・1976年11月 - 結成
・1977年10月 - ファーストアルバム『Never Mind the Bollocks』を発売。
・1978年1月14日 - 初のアメリカツアーの最中(ロサンジェルス,ウインターランド公演後)に、ジョニー・ロットンがバンドを脱退。実質上の解散となる。
と、たったの3行で終わってしまう。むしろ現在の彼らの方がバンドとして機能しているといえよう。
肝心のお客の反応は想像を超えるものだった。ライブ中ずっとダイブが絶えることがない。演奏しているのは50代の人たちなのに、この盛り上がり方ははっきりいって異常である。中にはカバンを持ったままダイブしている人もいた。その人は、見間違いでなければ、スーツ姿だったような・・・。
バンド自体も、ジョンがMCでお客を煽りながら休み休みという感じがしないでもなかったけれど、失望してしまうほどの演奏ではなかったと思う。唯一のオリジナル・アルバムからは全て披露したけれど、“Liar”、“Holidays in the Sun”、“God Save the Queen”、“Anarchy in the UK”は特に盛り上がる。ライブ中に何かが投げられジョンの頭に当たる場面もあった。
どうせ金儲けだろ、という意地の悪い意見を持つ人もいるだろう。そういえば96年の再結成の時は通称「ボッタクリ・ツアー」だった。今回の「COMBINE HARVESTER TOUR」は「集金ツアー」と訳すらしい。しかし、ボッタクリという言葉はボッタクられた時に使う表現である。お客が満足したならばボッタクリでは決してない。実際、ネットではライブを賞賛する書き込みばかりである。それだけでも彼らが来日した意義はあった。
別に私はピストルズを擁護する立場でもないし、唯一のアルバムすらろくに聴かないまま東京に来てしまった(昨日のディーヴォと変わらないな)。しかし、ジョン・ライドンのひんむいた目と痙攣したヴォーカルを生で体験できたのには満足している。予想を超える充実した2日間であった。
最後にネットで拾った曲目を記す。ライブの時間は1時間半ほどだった。
【演奏曲目】
(1)Pretty Vacant
(2)17/Lazy Sod
(3)No Feelings
(4)New York
(5)Did You Now Wrong
(6)Liar
(7)Holidays in the Sun
(8)Baghdad Was A Blast
(9)Submission
(10)Stepping Stone
(11)No Fun
(12)Problems
(13)God Save the Queen
(14)E.M.I.
〈アンコール1〉
(15)Bodies
(16)Anarchy in the UK
〈アンコール2〉
(17)Silver Machine
(18)Roadrunner
そして、土曜日と同じく「りんかい線」に乗り新木場駅へ向かう。今日の会場は「新木場STUDIO COAST」という大きめのライブハウスだ。駅に降りると、いかにもパンクという雰囲気の人たちが目立つ。行く場所は私と同じにちがいない。5分ほど歩いて迷うことなく会場にたどり着いた。午後5時半、まだ開場まで30分近くあるけれど、すでに人はけっこう集まっている。
客層を見ると奇抜な格好の人が目につく。やはりピストルズの出会いによって人生のどこかが狂ってしまったのだろうか。他に、ローリング・ストーンスやルー・リードやAC/DCのTシャツを着ている人もいる。
服装以外にも気づいたことがある。やたら缶ビールを片手にやってくる人が多いのだ。しかも500ml缶である。今からそんなに飲んでいたら開演までにどうなるのだろう。せめて350ml缶くらいにしてほしい。
午後6時をしばらく回って開場入りである。私の整理番号は776番とかなり後半であったけれど、実際に入ったら前はかなり空いていた。暴れる人が多いと予測される一方、なるべく近くで観たい気持ちもあるので、前方の左側に立って開演を待つ。周囲には外国人、しかも英語圏ではない人が大きな声でおしゃべりをしている。ふと横を見ると小さな女の子もいるではないか。こんなところに連れてくる親の顔が観たい。そんな風景を見ているうちに照明が落ちる。もの凄い歓声の中、スピーカーからは英国国歌“God Save The Queen”が流れ出し、あのセックス・ピストルズが目の前に登場した。といっても、私は特に感慨は湧かなかったけれど。
ジョン・ライドンはずいぶん体格は良くなってしまったものの、あのまなざしは昔と変わらない。ステージに缶ビールなど物を投げつける輩がいた。しかしその程度でバンドは微動だにしない。イギリスと日本の国旗を結んだものを掲げてから“Pretty Vacant”で演奏が始まった。
会場に来た人はピストルズに対してそれぞれ思いを抱いていたに違いない。過剰な期待を持った方もいただろう。しかし私は、お客が喜んで帰ったらそれで良い、という程度の思いしかなかった。そもそもピストルズが「まともな」活動をしていた時期などない。出発はマルコム・マクラーレンがでっちあげたグループだし、さきほど「ウィキペディア」に載っていた彼らの歴史にいたっては、
・1976年11月 - 結成
・1977年10月 - ファーストアルバム『Never Mind the Bollocks』を発売。
・1978年1月14日 - 初のアメリカツアーの最中(ロサンジェルス,ウインターランド公演後)に、ジョニー・ロットンがバンドを脱退。実質上の解散となる。
と、たったの3行で終わってしまう。むしろ現在の彼らの方がバンドとして機能しているといえよう。
肝心のお客の反応は想像を超えるものだった。ライブ中ずっとダイブが絶えることがない。演奏しているのは50代の人たちなのに、この盛り上がり方ははっきりいって異常である。中にはカバンを持ったままダイブしている人もいた。その人は、見間違いでなければ、スーツ姿だったような・・・。
バンド自体も、ジョンがMCでお客を煽りながら休み休みという感じがしないでもなかったけれど、失望してしまうほどの演奏ではなかったと思う。唯一のオリジナル・アルバムからは全て披露したけれど、“Liar”、“Holidays in the Sun”、“God Save the Queen”、“Anarchy in the UK”は特に盛り上がる。ライブ中に何かが投げられジョンの頭に当たる場面もあった。
どうせ金儲けだろ、という意地の悪い意見を持つ人もいるだろう。そういえば96年の再結成の時は通称「ボッタクリ・ツアー」だった。今回の「COMBINE HARVESTER TOUR」は「集金ツアー」と訳すらしい。しかし、ボッタクリという言葉はボッタクられた時に使う表現である。お客が満足したならばボッタクリでは決してない。実際、ネットではライブを賞賛する書き込みばかりである。それだけでも彼らが来日した意義はあった。
別に私はピストルズを擁護する立場でもないし、唯一のアルバムすらろくに聴かないまま東京に来てしまった(昨日のディーヴォと変わらないな)。しかし、ジョン・ライドンのひんむいた目と痙攣したヴォーカルを生で体験できたのには満足している。予想を超える充実した2日間であった。
最後にネットで拾った曲目を記す。ライブの時間は1時間半ほどだった。
【演奏曲目】
(1)Pretty Vacant
(2)17/Lazy Sod
(3)No Feelings
(4)New York
(5)Did You Now Wrong
(6)Liar
(7)Holidays in the Sun
(8)Baghdad Was A Blast
(9)Submission
(10)Stepping Stone
(11)No Fun
(12)Problems
(13)God Save the Queen
(14)E.M.I.
〈アンコール1〉
(15)Bodies
(16)Anarchy in the UK
〈アンコール2〉
(17)Silver Machine
(18)Roadrunner
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