せめてこのライブに行くまでには身辺も落ち着いているだろうと思っていたのだが、なかなかそうもいっていないのが現状だ。これから先にライブの告知があったとしても、とても行けそうにない。よって、現時点はこれが私にとって彼女の最後のライブとなっている。

しかし、この人は自分にとって節目になるような時期にはいつも現れる。大学を出てから仕事の無かった11年前、以前の会社を辞めた今年の4月、そしてこの日である。世間からみれば単なる偶然としかいえないのだが、それだけでは片付けられない部分が私にはある。かといって今日のライブに特別なにかを求めているわけでもないが、この人のライブを観て救われた気になったことが何度とあるのでそんなことを思ってしまった。

野外ライブなので一番の心配は天気だったけれど、もう暑いくらいの快晴この点は何も問題はない。会場入口の自動販売機でお茶を買って自分の席を探す。今回「プレミア席」(9000円)というのが設定されていたので選んだ。「C列」というので前から3列目かと誰もが思うだろうけど、実際は前から5列目だった。最前列と思っていたA列の前にさらに「AB列」と「AA列」が存在していたからだ。それでもずいぶん前であり、ステージから数メートルという近さなので不満はない。

開演の4時半ちかくになるとスピーカーから流れている音が大きくなる。その曲はクイーンの”WE WILL ROCK YOU”だった。そろそろ始まるのかなと思ったら、バンドから光田健一とスパム春日井が出てきて演奏を初め、それからバンドメンバーが段々と揃い出す。ステージ前で花火がバババンと鳴り、”夏が来た!”のイントロが始まって開演だ。

2曲目は先日発売された新作アルバム「Serendipity」(11年)から”ロマンティック・ボヘミアン”、新譜を出したばかりなのでここからの曲が多いかとも思ったが、実際は6曲とそれほど比率は高くなかっただろう。

複雑に気持ちになったのは”Life”が演奏された時だった。以前の日記でも書いたけれど、会場でおかしなヲタがMCの時にリクエストをしていたのがこの曲である。

http://30771.diarynote.jp/201105031534352971/

その対策のために披露したのかもしれないが、これは吉と出るか凶と出るかは半々だからだ。もしあのヲタがこれに味をしめて、◯◯を歌ってくださあい、とまた別の曲を求めてくる可能性だってある。なんなら私も、「”kick off”を歌ってくださあい。20年ほどライブを観てますが一度も聴いてませえん」と言ってやろうか(恥ずかしくて絶対にできないけれど)。しかし”life”を聴いたのはこの曲が入っているアルバム「Spirits」(96年)を出した時のツアー以来だから、15年ぶりになるだろうか。だからどうということもないが。

面白かったのは”恋したっていいじゃない”の時にギターの設楽博臣がジミ・ヘンドリックスの真似をして歯でギターを弾いていたことだ。有名な演奏法だが実際に演奏する人を観たのはこれが始めてである。それにしてもステージが近いのでバンドのメンバーなどの表情もよくわかる。サックスの竹野昌邦が終始ニコニコしながらバンドと身振りでコンタクトをとていたのが興味深かった。あれだけベテランとなるとあまり緊張などもしないのかな。

全体を通してパッと感じたのは、ライブの時間がいつもより短かったことである。2時間半くらいするのかなと思いきゃ終了したのは6時40分、2時間10分ほどだった。通常のライブでこれほど短いのは珍しい。本当にサラッと終わったという印象だった。演奏曲目もそれほど意表を突いたものがなかったこともあるかもしれないが、ともかくスーッと流れたという感じである。

会場を出る途中で私のそばにいた女性が、震災を意識したような歌詞が多かったねえ、などと話しているのを耳にした。MCでも3,11について触れていたし、そういう思いがセットリストに反映していたかもしれないが、個人的にはあまりピンとこない話であった。

これで彼女のライブの予定はなくなった。果たして自分にはまた行けるような環境を築くことができるのか。未だにそうなっていないのがもどかしい。最後に演奏曲目を記す。

【演奏曲目】
(1)夏が来た!
(2)ロマンティック・ボヘミアン
(3)すき
(4)青い鳥
(5)Life
(6)いつも笑って ちょっぴり泣いて。
(7)始まりの詩、あなたへ
(8)LOVE IS HERE
(9)SHOUT (ココロの花びら)
(10)人生はステージだ!
(11)世界中にKissの嵐を
(12)恋したっていいじゃない
(13)My Revolution
(14)サマータイムブルース

<アンコール>
(15)メロディ
(16)セレンディピティー
(17)10 years
(18)My Love Your Love(たったひとりしかいない あなたへ)

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