ふれんち ラぁ麺
2011年10月11日
先日の昼間に烏丸蛸薬師のあたりを歩いていると、20人くらいの行列が出来ているのに出くわした。列の横を見ると、
「ふれんち・ラぁ麺 ガスパール」
という看板があった。
「ああ。『ガスパール』が新しく作った店ってここなんだ」
と、ここで初めて気づいた。
「ガスパール」は京都市内でいくつか店舗を持つフランス料理の人気店である。今年の8月8日にこの「ふれんち・ラぁ麺 ガスパール」を開店した。ずっとフレンチで営業してきたところがラーメンという分野に手を出したのは不思議というか違和感をもっていたので、開店情報は知っていても行く気が起きなかった。しかしこの行列を見てがぜん興味を持ってしまった。つくづく自分は小市民だと感じる。
本日の午後5時40分ごろに店を訪れた。あの昼間の行列が頭に残っていたのでなるべく早く行こうと思ったのだ(晩の営業は午後5時30分から)。しかしながら私の前にはもう3人くらい並んでいた。開店してわずかしか経っていないにもかかわらず満員となっている。「食べログ」の感想を見ていたら、1時間ほど待った、という書き込みも見かけた。中途半端な時間に来るとかなり待たされると思われる。私は10分も待たずに入れたので幸運な部類か。
座席は15席とそれほど大きくはない。手前にカウンターが7席、奥に大きなテーブルが1台あってそこに8人が座れる。入口の扉の片隅には、
「麺屋棣鄂 (めんやていがく)」
のステッカーが貼ってあった。麺は棣鄂から仕入れているようだ。
メニューは画像で貼っているが、4種類しか商品がないにもかかわらず説明がやたらあって判断しようがない。とりあえずメニューの名前を見てなんとなく「オニオンスープ らあめん」(880円)が気になったのでそれをパッと注文する。鞄から本を取り出して読んでいたら、
「ハムのムースです。パンに付けてください」
と小さな付き出しが出てきた。このあたりはフレンチのお店という感じだ。そしてメインのラーメン、私が頼んだのはつけ麺だが、が出てきた。詳細はメニューにくわしく書いているけれど、カリカリのベーコン、温泉玉子、バゲット(フランスパン)などが入ったスープは従来のラーメン店には見られないものである。食べ終わる頃には「締めごはん」と小さなご飯(オニオンスープの場合は「牛ホホ肉のハヤシライス」)が付いてきた。いろいろ考えているなあと感心はした。
しかし実際に食べてみた感想は、
「なかなか美味しいけれど、ラーメンという感じではないなあ」
というのが正直なところである。どうしてだろうかと思いながら店を見回してみると、壁にお店のコンセプトのようなものが貼ってあった。
<ふれんち ラぁ麺とは・・・
「クオリティーの高さ」「わくわく感」「気軽さ」を
フレンチに取り入れたい・・・。そんな思いから
生まれたラーメンが、ふれんち ラぁ麺です。
こだわりとして、ラーメンの柱になる
醤油、豚骨、煮干し、こんぶをつかわずに、
フレンチの柱となる「ソースやフォン」「ピュレやスープ」を
ベースに仕上げた最後のスープまで全部
召し上がって頂きたいラぁ麺です。>
「醤油も煮干しも昆布も入ってないのか!」
この一文を読んで、遠い昔に読んだマンガ「美味しんぼ」(作・雁屋哲、画・花咲アキラ。小学館)の第38巻「ラーメン戦争」(93年)を思い出した。1冊まるまるラーメンを取り扱ったこの巻では、中華料理をアレンジしたようなラーメンがなぜ日本人にこれほど愛されているのか、ということが一つのテーマになっている。
そして本書の最後に、日本人はグルタミン酸の味をもの凄く求めている、という結論を出している。グルタミン酸はうまみ成分の一つであり、それを多く含んでいる食材が魚介類や昆布や醤油やシイタケである。化学調味料もグルタミン酸の塊だ。
これを踏まえてみると、ガスパールのメニューにグルタミン酸はあまり含まれていないことがわかる。「食べログ」では、ラーメンらしくない、というような感想も散見したけれど、味の要素からしてラーメンとはかけ離れているのだから当然といえば当然ということだろう。正当なラーメンを求めている人にはおそらく満足できないものと思われる。
その美味しんぼでも山岡や栗田が最初に作ったラーメンはグルタミン酸が多くないものだったので、最初は繁盛してもしばらくしたらお客が離れていくという結果になった。現在行列を作っているガスパールは果たしてどうなるか。なんといってもガスパールの看板があるから、しばらくあの状態は続くような気がする。
【お店の情報】
「ふれんち ラぁ麺 ガスパール」 電話075-212-1382
京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル東側
四条烏丸スタービルB1F
・営業時間
月、火、水、金曜 11:30〜16:00LO、17:30〜22:00LO
土、日曜 11:30〜22:00
(ただし16:00頃に麺のお湯交換のため20分ほど間が空きます)
2011年9月30日は臨時休業
木曜休み
大テーブル8席とカウンター数席 全席禁煙◎
「ふれんち・ラぁ麺 ガスパール」
という看板があった。
「ああ。『ガスパール』が新しく作った店ってここなんだ」
と、ここで初めて気づいた。
「ガスパール」は京都市内でいくつか店舗を持つフランス料理の人気店である。今年の8月8日にこの「ふれんち・ラぁ麺 ガスパール」を開店した。ずっとフレンチで営業してきたところがラーメンという分野に手を出したのは不思議というか違和感をもっていたので、開店情報は知っていても行く気が起きなかった。しかしこの行列を見てがぜん興味を持ってしまった。つくづく自分は小市民だと感じる。
本日の午後5時40分ごろに店を訪れた。あの昼間の行列が頭に残っていたのでなるべく早く行こうと思ったのだ(晩の営業は午後5時30分から)。しかしながら私の前にはもう3人くらい並んでいた。開店してわずかしか経っていないにもかかわらず満員となっている。「食べログ」の感想を見ていたら、1時間ほど待った、という書き込みも見かけた。中途半端な時間に来るとかなり待たされると思われる。私は10分も待たずに入れたので幸運な部類か。
座席は15席とそれほど大きくはない。手前にカウンターが7席、奥に大きなテーブルが1台あってそこに8人が座れる。入口の扉の片隅には、
「麺屋棣鄂 (めんやていがく)」
のステッカーが貼ってあった。麺は棣鄂から仕入れているようだ。
メニューは画像で貼っているが、4種類しか商品がないにもかかわらず説明がやたらあって判断しようがない。とりあえずメニューの名前を見てなんとなく「オニオンスープ らあめん」(880円)が気になったのでそれをパッと注文する。鞄から本を取り出して読んでいたら、
「ハムのムースです。パンに付けてください」
と小さな付き出しが出てきた。このあたりはフレンチのお店という感じだ。そしてメインのラーメン、私が頼んだのはつけ麺だが、が出てきた。詳細はメニューにくわしく書いているけれど、カリカリのベーコン、温泉玉子、バゲット(フランスパン)などが入ったスープは従来のラーメン店には見られないものである。食べ終わる頃には「締めごはん」と小さなご飯(オニオンスープの場合は「牛ホホ肉のハヤシライス」)が付いてきた。いろいろ考えているなあと感心はした。
しかし実際に食べてみた感想は、
「なかなか美味しいけれど、ラーメンという感じではないなあ」
というのが正直なところである。どうしてだろうかと思いながら店を見回してみると、壁にお店のコンセプトのようなものが貼ってあった。
<ふれんち ラぁ麺とは・・・
「クオリティーの高さ」「わくわく感」「気軽さ」を
フレンチに取り入れたい・・・。そんな思いから
生まれたラーメンが、ふれんち ラぁ麺です。
こだわりとして、ラーメンの柱になる
醤油、豚骨、煮干し、こんぶをつかわずに、
フレンチの柱となる「ソースやフォン」「ピュレやスープ」を
ベースに仕上げた最後のスープまで全部
召し上がって頂きたいラぁ麺です。>
「醤油も煮干しも昆布も入ってないのか!」
この一文を読んで、遠い昔に読んだマンガ「美味しんぼ」(作・雁屋哲、画・花咲アキラ。小学館)の第38巻「ラーメン戦争」(93年)を思い出した。1冊まるまるラーメンを取り扱ったこの巻では、中華料理をアレンジしたようなラーメンがなぜ日本人にこれほど愛されているのか、ということが一つのテーマになっている。
そして本書の最後に、日本人はグルタミン酸の味をもの凄く求めている、という結論を出している。グルタミン酸はうまみ成分の一つであり、それを多く含んでいる食材が魚介類や昆布や醤油やシイタケである。化学調味料もグルタミン酸の塊だ。
これを踏まえてみると、ガスパールのメニューにグルタミン酸はあまり含まれていないことがわかる。「食べログ」では、ラーメンらしくない、というような感想も散見したけれど、味の要素からしてラーメンとはかけ離れているのだから当然といえば当然ということだろう。正当なラーメンを求めている人にはおそらく満足できないものと思われる。
その美味しんぼでも山岡や栗田が最初に作ったラーメンはグルタミン酸が多くないものだったので、最初は繁盛してもしばらくしたらお客が離れていくという結果になった。現在行列を作っているガスパールは果たしてどうなるか。なんといってもガスパールの看板があるから、しばらくあの状態は続くような気がする。
【お店の情報】
「ふれんち ラぁ麺 ガスパール」 電話075-212-1382
京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル東側
四条烏丸スタービルB1F
・営業時間
月、火、水、金曜 11:30〜16:00LO、17:30〜22:00LO
土、日曜 11:30〜22:00
(ただし16:00頃に麺のお湯交換のため20分ほど間が空きます)
2011年9月30日は臨時休業
木曜休み
大テーブル8席とカウンター数席 全席禁煙◎
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