今朝、お弁当の準備をしながらパソコンでFM大阪の番組を聴いていると、「ボーカロイド(VOCALOID)」に関する話題が取り上げられていた。時流に乗っている方は「初音ミク」とセットでこの言葉を承知していただろうが、私は今日になって初めてこれを知った次第である。もちろん初音ミクについても全く知識はない。

今日の日記を書くにあたりボーカロイドについてちょっと調べたら色々と技術の話が出てきて少し嫌になってくる。それでも、歌声の録音を素材にしてかなりリアルに再構築できる技術ということくらいは理解できた。ただ、それだけではたいして関心は持たなかったと思う。しかしそのラジオ番組で「オッ」と興味を惹かれる曲が流れたのである。

それは今は亡き植木等の音声を使ったボーカロイドで加山雄三の”君といつまでも”だった。パッと聴く分には、植木等が歌ってるなあ、と思える出来にけっこう衝撃を受けた。

ただ、これはボーカロイドが歌っているということが頭にあったからかもしれないが、なんだか表現力が平板な印象に感じた。微妙なニュアンスのようなものが抜け落ちているのだろう。おそらく植木等のファンだったら余計にそう感じるに違いない。

いまやボーカロイドの楽曲を集めたアルバムがチャート1位になる時代であり、また実際の歌手のCDだって声を加工してしまうこともよく知られている。しかしそうした編集によって消えてしまったものの中に、個性というか大事な要素があるのではないだろうか。

現在の技術を駆使すればプロ顔負けの「うまい」楽曲や歌を作り出すこともできるだろう。しかしそういうものを聴いたところで、感心することはあっても心を動かされることはないだろう、というのが好きなミュージシャンを観るためだけに英国に行った自分の感想である。

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