「お持ち帰りCD」は一条の光か
2012年7月2日 音楽今朝ネットでニュースを見ていたら、MONEYzine 7月1日(日)14時0分配信の、
「ライブを録音、その場で販売『お持ち帰りCD』ファン心理をつき好評、瞬時完売も」
という記事に出くわした。
<音楽業界ではCDの新たな販売方法として、「お持ち帰りCD」に注目が集まっている。「お持ち帰りCD」は、ライブ演奏がそのまま入っているCDのこと。ライブ終了後に購入してお持ち帰りできることから、そのように呼ばれている。 2012年1月に東京の3会場(NHKホール ・府中の森芸術劇場・渋谷公会堂)で行われた奥田民生さんのライブイベントで、その日行われたライブ演奏をCDにした『tamio okuda / Gray Ray & The Chain Gang Tour - Live in Tokyo 2012』(価格は2枚組で4,000円)を「お持ち帰りCD」として販売したところ、瞬時に完売したという。>
)
この記事によれば、ライブ終了後にすぐマスタリング(音直し)をして短時間で複製し、ライブ会場ですぐに販売するのだという。終演後にパッと売り出すのだから出荷枚数はどれくらいなんだ?と疑問に思ったのだが、これはかなり優れた商売といかサービスである。自分の行ったライブ音源を欲しいかと訊かれれば、全て欲しいと私なら思ってしまうからだ。
改めて強調するまでもないが、産業としての音楽は衰退の一途をたどっている。ネットで調べたら手軽に音源や映像が出てくる時代に金を出してまで聴こうという人はよほど熱心な愛好者だけだろう。レコード会社(って今も言うのかな?)が良い音楽を出さないからだ、という意見をネットで見たことがあるけれど、別に音楽業界がどうなってもいい人の声なのだろう。私も音楽産業などという大きな枠組みに関して興味はないけれど、自分の好きなミュージシャンがこれからも活動していけるのかなと漠然とした不安だけは感じている。
欧米ではその対策をとっていたのかどうか知らないけれど、ライブの入場料やグッズ代などで大きな収益をあげられるような仕組みに以前からなっている(ローリング・ストーンズは売上げの9割以上がライブからだ)。ただそのおかげでチケット代がもの凄く高騰してしまった。今でさえチケット代に割高感のある日本ではとうてい受け入れられない。
そんな状況の中でこの「お持ち帰りCD」というのはミュージシャンの新しい収入源になりうる可能性が高いのではないだろうか。また音楽ファンにとっても楽しみが増えるから一挙両得だ。ミュージシャンの立場からしてみたら、出来の悪いライブを音源化するのは嫌だという心理もあるかもしれない。しかし、CDが売れなけば他の方法を模索するしかあるまい。ぜひこの流れは広がってほしい、とは個人的に願っている。
いずれにせよ、優れたミュージシャンはライブに価値を見出さないとはいけないだろう。生の空間というのは実に貴重なものだ。そして皮肉にも、何もかもがデジタルに飲まれていくご時世にあってその価値はますます高くなっている。
何か今日の日記に引用できる部分がないかなあ、とクリス・アンダーソンの「フリー <無料>からお金を生み出す新戦略」(09年。NHK出版)をパラッとめくったら、音楽産業について触れている箇所にこう書いてあった。
<思い出に残る経験こそが、もっとも希少価値があるのだ>(P.208)
「ライブを録音、その場で販売『お持ち帰りCD』ファン心理をつき好評、瞬時完売も」
という記事に出くわした。
<音楽業界ではCDの新たな販売方法として、「お持ち帰りCD」に注目が集まっている。「お持ち帰りCD」は、ライブ演奏がそのまま入っているCDのこと。ライブ終了後に購入してお持ち帰りできることから、そのように呼ばれている。 2012年1月に東京の3会場(NHKホール ・府中の森芸術劇場・渋谷公会堂)で行われた奥田民生さんのライブイベントで、その日行われたライブ演奏をCDにした『tamio okuda / Gray Ray & The Chain Gang Tour - Live in Tokyo 2012』(価格は2枚組で4,000円)を「お持ち帰りCD」として販売したところ、瞬時に完売したという。>
)
この記事によれば、ライブ終了後にすぐマスタリング(音直し)をして短時間で複製し、ライブ会場ですぐに販売するのだという。終演後にパッと売り出すのだから出荷枚数はどれくらいなんだ?と疑問に思ったのだが、これはかなり優れた商売といかサービスである。自分の行ったライブ音源を欲しいかと訊かれれば、全て欲しいと私なら思ってしまうからだ。
改めて強調するまでもないが、産業としての音楽は衰退の一途をたどっている。ネットで調べたら手軽に音源や映像が出てくる時代に金を出してまで聴こうという人はよほど熱心な愛好者だけだろう。レコード会社(って今も言うのかな?)が良い音楽を出さないからだ、という意見をネットで見たことがあるけれど、別に音楽業界がどうなってもいい人の声なのだろう。私も音楽産業などという大きな枠組みに関して興味はないけれど、自分の好きなミュージシャンがこれからも活動していけるのかなと漠然とした不安だけは感じている。
欧米ではその対策をとっていたのかどうか知らないけれど、ライブの入場料やグッズ代などで大きな収益をあげられるような仕組みに以前からなっている(ローリング・ストーンズは売上げの9割以上がライブからだ)。ただそのおかげでチケット代がもの凄く高騰してしまった。今でさえチケット代に割高感のある日本ではとうてい受け入れられない。
そんな状況の中でこの「お持ち帰りCD」というのはミュージシャンの新しい収入源になりうる可能性が高いのではないだろうか。また音楽ファンにとっても楽しみが増えるから一挙両得だ。ミュージシャンの立場からしてみたら、出来の悪いライブを音源化するのは嫌だという心理もあるかもしれない。しかし、CDが売れなけば他の方法を模索するしかあるまい。ぜひこの流れは広がってほしい、とは個人的に願っている。
いずれにせよ、優れたミュージシャンはライブに価値を見出さないとはいけないだろう。生の空間というのは実に貴重なものだ。そして皮肉にも、何もかもがデジタルに飲まれていくご時世にあってその価値はますます高くなっている。
何か今日の日記に引用できる部分がないかなあ、とクリス・アンダーソンの「フリー <無料>からお金を生み出す新戦略」(09年。NHK出版)をパラッとめくったら、音楽産業について触れている箇所にこう書いてあった。
<思い出に残る経験こそが、もっとも希少価値があるのだ>(P.208)
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