ピーター・ハミル

2005年10月1日
「FOOL’S MATE」という音楽雑誌がある。現在では艶やか格好のバンドばかりが中心となっているけれど、かつてはプログレッシブ・ロックを取り扱っていたらしい。そして、この雑誌のタイトルがピーター・ハミルのアルバムから取られていることなど、いまの読者はおそらく知るよしもないだろう。

ピーター・ハミルはヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター(VDGG)というバンドに在籍していた。VDGGはいわゆるプログレッシブ・ロックという位置づけではあったものの、日本でも大人気だったピンク・フロイドやエマーソン・レイク&パーマーとは違うマイナーなバンドである。バンドを解散してからハミルはソロでずっと活動しているものの、ハミルの人気もカルトな域をとどまらず、アルバムをコンスタントに出している割には国内盤はあまり出ていないのが現状である。

しかし最近になってVDGGが再結成をして、新作アルバム”PRESENT”まで出してしまった。さらにVDGGやハミルの旧作も再発している。VDGGの再結成に連動したものだろうが、これらの作品を国内盤で買う最後のチャンスかもしれない。

私はVDGGを聴いたことがないにもかかわらずハミルのソロ・アルバムは何枚か持っているという、わけのわからない聴き手である。ハミルの名前を思い出したので、数枚の所持CDの中から、昔に出た”カーム(アフター・ザ・ストーム)”というベスト的なアルバムを久しぶりに聴いてみた。

ハミルというのは修行のために歌を歌っているのではないかと思うほど、なんだか聴いていて厳粛というか重たい気持ちになる音楽である。メジャーになれないのは仕方ないと思う一方、しかしそれゆえに熱狂的なファンも世界中に獲得しているともいえる。

日本でもハミルの熱心なファンは存在する。それゆえハミルはたびたび来日しているし、ファンと食事会なども催している。今度来る時はVDGGとしてに違いない。

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