Van Morrison CD Mercury 1998/07/14 ¥1,702

Spanish Steps
Mystery
Queen of the Slipstream
I Forgot That Love Existed
Sometimes I Feel Like a Motherless Child
Celtic Excavation
Someone Like You
Alan Watts Blues
Give Me My Rapture
Did Ye Get Healed?
Allow Me

しばらく遠ざかっていたヴァン・モリソンを聴こうという気持ちがまた起こっている。といってもこの5年くらいに出したアルバムはあまり聴いていないのが正直なところだ。もはや40年以上のキャリアを重ねてきた人で、しかも駄作はほとんど無い人である。しかし私が最も好きな時代はやはり80年代中盤から90年代後半に落ち着く。この頃の作品が一番豊かさがあると自分には感じるからだ。

80年代前半にヴァンが引退するという噂が流れた。その頃はあまり評判の良くない作品や不可解なライブ盤などが出たため、ファンの間ではもうこれまでかと思ったらしい。ところが、85年の「センス・オブ・ワンダー」から90年代前半にいたるまで傑作アルバムを連発する円熟期に突入してしまったのである。

この「ポエティク・チャンピオンズ・コンポーズ」はその円熟期に入りだした87年に発表のアルバムで、「アヴァロン・サンセット」(89年)や「エンライトメント」(90年)そして「オーディナリー・ライフ」(91年)などに並ぶ傑作アルバムである。

リズム&ブルース、ジャズ、そしてアイリッシュ・ミュージックなどの音楽が複雑に混じったのがヴァンの音楽だが、このあたりの時代はケルト色が強く出ている。ケルトとかアイリッシュとは何だと訊かれてたら説明するのは難しい。しかし例えばポーグスやホット・ハウス・フラワーズなどの賑やかなものではなく、エンヤの作品のようなおごそかな雰囲気といえば、わかる人にはわかるだろうか。

ただ、気品があるものの他人を寄せ付けないような敷居の高さが無い。それがこの時代のヴァンの素晴らしさだといえる。

しかし悲しいことに、このアルバムは日本で10年以上も廃盤の状態である。

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