ジッタリン・ジン「8-9-10!!(Ver.2)」(07年)
2007年4月1日 CD評など
JITTERIN’JINN CD コロムビアミュージックエンタテインメント 2007/03/21 ¥2,625
(1)エヴリデイ
(2)SINKY-YORK
(3)アニー
(4)相合傘(Album Ver.)
(5)プレゼント(Album Ver.)
(6)プリプリダーリン
(7)にちようび(Album Ver.)
(8)夏祭り
(9)バイ バイ ハニー
(10)帰っておいで
(11)やけっぱちのドンチャラミー(Single Ver.)
(12)HI!WILD MY BIKE!
(13)自転車
(14)青いカナリア
(15)サムライガール(Single Ver.)
(16)大好きだった人
(17)コスモス
(18)晴
(19)アスタ・ラ・ビスタ!
(20)こいのぼり
昨年は京大西部講堂のイベント「ボロフェスタ」やツアー「GECKO STRUT TOUR」でとても楽しいライブを見せてくれたジッタリン・ジン(Jitterin’ Jinn)がこの3月21日にベスト・アルバムを出した。しかし、89年10月のデビューなので、ちょっと半端な時期にベスト・アルバムが出た感じがする。歌詞カードの後ろには「17年半応援してくれた友達と家族とファンのみんな」と書かれている通り、20年とか区切りの良い年でもない。ただ、これをきっかけにまたライブをしてくれるなら、それはそれで良いことだが。
その内容であるが、前半10曲は20万枚を売り上げた「8−9−10!」(99年)と同じだが、後半10曲は99年に出した「TENTASTIC!」以降のものに差し替えられている。消えてしまった曲を参考までに列挙すると、
(11)サヨナラ
(12)プリーズ・キス・ミー・マイ・サンタクロース
(13) GOOD NIGHT
(14. 恋は突然
(15) GOOD LUCK
(16) マリアン
(17) 泣き顔のマリー
(18) 黄金の夜明け
(19) クローバー
(20) サツキマスの唄
と、92〜98年の作品がゴッソリと抜けてしまった。個人的に好きな”GOOD LUCK”や、彼女たちのテーマ・ソング(去年観たライブでも冒頭で演奏した)でもある”黄金の夜明け”などは残しても良かったのではないかと思うが、彼女たちにとってはあまり重要な時期でもないということか。もしかすると、しばらくベスト盤は出していなかったので、99年から現在にいたるまでの作品をなるべく多く入れようという意図があったかもしれない。実際、”自転車”や”青いカナリア”など優れた曲も多く、こうしてまとめて聴けるのは嬉しい。
私の同じ位の世代ならば、ラジオなどで”プレゼント”や”にちようび”のフレーズが耳に残っている人も多いだろう。特に”プレゼント”のインパクトは強かったが、彼女らの音楽をまともに聴いていた人はかなり少ないに違いない。私などその典型で、当時はイロモノのバンドという印象しか持てなかった。「パンク」や「スカ」という言葉も音楽も知らなかった頃なので、彼女たちの音楽性を位置づけることも不可能だった。”プレゼント”がスカだと気づいたのはずっと後のことである。
また、春川玲子のヴォーカル、それにバンドの歌詞や曲調のセンスは、中学生だった私が受け入れるにはあまりに可愛らしいものだったことも大きい。深夜ラジオで曲をときどき耳にしていたが
「俺の歳で聴く音楽じゃないな」
というくらいしか感想をもてなかった気がする。ジッタリン・ジンがパンク系のバンドであると気づいたのは、それこそ”自転車”をFMラジオで偶然耳にした時だった。
昨年、京大西部講堂のイベント「ボロフェスタ」でライブを観てから中古でCDをいろいろ買ってみた。それを聴いて私がもっとも感激したのは、デビュー時から現在までバンドの精神が死に絶えることなく生き続けていることである。90年代に数多く出てきた日本のパンク系・スカ系のバンドの手本となった魅力は基本的に変わっていない。デビュー曲”エヴリデイ”から京大西部講堂のステージの姿まで一直線につながってくる。褒め過ぎと言う人もいるかもしれないが、自分の中ではバズコックスあたりと並べたいくらいの優れたパンク・バンドである。
当時はまともに聴かなかった人たちにこそこの再発ベストを手に取ってもらいたい。おそらく、当時とは全く違った感覚で彼女たちの音楽を接することができるだろう。
90年前後には彼女たちに見向きもしなかった私だからこそ、そう願ってしまうのだ。
(1)エヴリデイ
(2)SINKY-YORK
(3)アニー
(4)相合傘(Album Ver.)
(5)プレゼント(Album Ver.)
(6)プリプリダーリン
(7)にちようび(Album Ver.)
(8)夏祭り
(9)バイ バイ ハニー
(10)帰っておいで
(11)やけっぱちのドンチャラミー(Single Ver.)
(12)HI!WILD MY BIKE!
(13)自転車
(14)青いカナリア
(15)サムライガール(Single Ver.)
(16)大好きだった人
(17)コスモス
(18)晴
(19)アスタ・ラ・ビスタ!
(20)こいのぼり
昨年は京大西部講堂のイベント「ボロフェスタ」やツアー「GECKO STRUT TOUR」でとても楽しいライブを見せてくれたジッタリン・ジン(Jitterin’ Jinn)がこの3月21日にベスト・アルバムを出した。しかし、89年10月のデビューなので、ちょっと半端な時期にベスト・アルバムが出た感じがする。歌詞カードの後ろには「17年半応援してくれた友達と家族とファンのみんな」と書かれている通り、20年とか区切りの良い年でもない。ただ、これをきっかけにまたライブをしてくれるなら、それはそれで良いことだが。
その内容であるが、前半10曲は20万枚を売り上げた「8−9−10!」(99年)と同じだが、後半10曲は99年に出した「TENTASTIC!」以降のものに差し替えられている。消えてしまった曲を参考までに列挙すると、
(11)サヨナラ
(12)プリーズ・キス・ミー・マイ・サンタクロース
(13) GOOD NIGHT
(14. 恋は突然
(15) GOOD LUCK
(16) マリアン
(17) 泣き顔のマリー
(18) 黄金の夜明け
(19) クローバー
(20) サツキマスの唄
と、92〜98年の作品がゴッソリと抜けてしまった。個人的に好きな”GOOD LUCK”や、彼女たちのテーマ・ソング(去年観たライブでも冒頭で演奏した)でもある”黄金の夜明け”などは残しても良かったのではないかと思うが、彼女たちにとってはあまり重要な時期でもないということか。もしかすると、しばらくベスト盤は出していなかったので、99年から現在にいたるまでの作品をなるべく多く入れようという意図があったかもしれない。実際、”自転車”や”青いカナリア”など優れた曲も多く、こうしてまとめて聴けるのは嬉しい。
私の同じ位の世代ならば、ラジオなどで”プレゼント”や”にちようび”のフレーズが耳に残っている人も多いだろう。特に”プレゼント”のインパクトは強かったが、彼女らの音楽をまともに聴いていた人はかなり少ないに違いない。私などその典型で、当時はイロモノのバンドという印象しか持てなかった。「パンク」や「スカ」という言葉も音楽も知らなかった頃なので、彼女たちの音楽性を位置づけることも不可能だった。”プレゼント”がスカだと気づいたのはずっと後のことである。
また、春川玲子のヴォーカル、それにバンドの歌詞や曲調のセンスは、中学生だった私が受け入れるにはあまりに可愛らしいものだったことも大きい。深夜ラジオで曲をときどき耳にしていたが
「俺の歳で聴く音楽じゃないな」
というくらいしか感想をもてなかった気がする。ジッタリン・ジンがパンク系のバンドであると気づいたのは、それこそ”自転車”をFMラジオで偶然耳にした時だった。
昨年、京大西部講堂のイベント「ボロフェスタ」でライブを観てから中古でCDをいろいろ買ってみた。それを聴いて私がもっとも感激したのは、デビュー時から現在までバンドの精神が死に絶えることなく生き続けていることである。90年代に数多く出てきた日本のパンク系・スカ系のバンドの手本となった魅力は基本的に変わっていない。デビュー曲”エヴリデイ”から京大西部講堂のステージの姿まで一直線につながってくる。褒め過ぎと言う人もいるかもしれないが、自分の中ではバズコックスあたりと並べたいくらいの優れたパンク・バンドである。
当時はまともに聴かなかった人たちにこそこの再発ベストを手に取ってもらいたい。おそらく、当時とは全く違った感覚で彼女たちの音楽を接することができるだろう。
90年前後には彼女たちに見向きもしなかった私だからこそ、そう願ってしまうのだ。
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