ロンドンへ
道が混んでいなかったためか、深夜バスが新宿駅前に着いたのがなんと午前5時半だった。空港に早く行くに越したことはないので、JRのホームへ向って歩き出す。すると空港行きのリムジンバスに並んでいる列を途中で見つける。5時45分に始発が出るという。料金は3000円と高いけれど、これに乗ることにした。そうしたらなんと1時間ほどで成田へ着いてしまった。空港に入る直前、バスの中でパスポートの確認がされる。やはりこの辺の警備は厳重だ。

時間はまだ7時、飛行機が出る5時間前である。いくらなんでも早く着きすぎだ。しかし地下1階のソフトバンク店舗で携帯を借りたり、円をポンドに両替したり、シャワーを浴びたり、朝食を取ったり、コンビニで必要備品を買っているうちに、あっという間に手続きの始まる10時近くになっていた。

搭乗手続きは、荷物検査をしてからATMのような機械の画面を触れてパスポートを読み取り、それから座席を選ぶという手順だった。希望していた通路側の席はほとんど埋まっていたがなんとか確保する。手続きが終わると航空券が出てくる。

続いて再び荷物とパスポートの確認をして飛行機の近くまでたどり着く。免税店などをざっと見た後、飛行機の前に着く。11時40分頃に飛行機に乗り込んだ。私の隣は外国人の男女だ。席に座ったとたん強烈な眠気に襲われる。深夜バスや荷物を持った疲れのためか。気がつけば12時30分になっている。しかしまだ飛行機は離陸していない。飛び立ったのは12時45分ごろだった。いよいよ初めての出国である。離陸1時間後に出た食事を済ませてすぐ眠る。そのまま午後6時くらいまでほとんど目が覚めなかった。テレビ画面で映画「バブルへGO!」(07年)を観て2時間経ち、しばらくしたら2度目の食事が出てくる。それが済んでしばらくすると、テレビ画面から陸地が見えてきた。ついにロンドンのヒースロー空港に到着である。時間は現地時間で午後3時半ごろだった。

「arrival」(到着)の表示にしたがって通路を歩いていると、ついに入国審査である。日本人らしき男性も係員の中にいたが、それでは面白くないので黒人の女性のところに行く。入国審査の質問は、

(1)何日滞在するのか
(2)滞在の目的は何か
(3)帰りの航空券は持っているのか

と「地球の歩き方」に載っている通りのもので、アッサリ通過できた。これで晴れてイギリス入国である。スーツケースを受け取り、私の1時間前に空港に着いているはずの知人Kさんを探さなければならない。と思ったら、出口でタバコを吸っている姿をすぐ見つけた。これでまずは一安心である。

宿泊先は同じなので、まず地下鉄でアールズ・コート(Earls Court )まで向かう。しかしその前に「オイスター・カード(Oyster card)」というものを買わなければならない。オイスター・カードは日本でいうSuicaやPiTaPaやICOCAと同じような非接触型ICカードで、ロンドンの地下鉄やバス、または鉄道の一部でも利用できる。しかも、物価の高いロンドンではこれが重要なのだが、オイスター・カードを使えば現金払いの半分以下の料金になるのだ。

Kさんの薦めでチャージ式のオイスター・カードを買うことにする。カードの代金が3ポンド、そこに好きな金額をチャージするという方式だ。販売窓口に行くと、出てきたのは両腕に入れ墨の入った係員だった・・・。

「Oyster pre pay,Please」

と言うと、入れ墨の係員が何やら訊いてきた。

しかし、まずい・・・聞き取れないのだ。係員が怖くて「Pardon?」と聞く勇気もでない。そこで焦りながらも頭をグルグル回して、彼が何を言わんとしているか想像してみる。「チャージ式のカードをください」と言ったのだから、相手は「いくらチャージするのか?」と聞いてくるのが道理だろう。そのような見当をつけて「30ポンド」と答えたら、カードの保証金(カードを返せば戻ってくる)3ポンドを足した「33ポンド」がレジに表示される。こうしてオイスター・カードを無事に手に入れることができた。

改札前にある黄色い円盤のような部分(これが牡蠣に似ているから「オイスター」と名付けられたらしい)にカードをつけると、「ピッ」と音がして入口が開く。しかし日本ではPiTaPaもICOCAも使ってない私がロンドンでこんなことをするのは不思議である。そしてKさんの案内にしたがって地下鉄に乗り込む。それにしても、世界で初めて地下鉄が走ったロンドンである。歴史があるのか電車は古くて汚い。しかも、かなり揺れる。窓から見える町並みも古い建物ばかりだ。そうしているうちに20分ほどでアールズ・コート駅に着いた。

そこから歩いて2、3分ほどにある「オックスフォード・ホテル」へ入りチェックインだ。窓口で保証金(deposit)の10ポンドを払ったり(チェックインの時に返金される)などしたが、やっぱり言葉が聞き取れない。Kさんが隣にいなかったらどうなっていただろうか。スーツケースをかついで3階の部屋まで上がるが、エレベーターは無い。トイレは外にある、と事前情報をKさんからもらっていたが、私の部屋には付いていた。しかも、画像はその部屋だが、なぜかベッドが2つある。私とKさんとの宿泊料金は1泊で2000円ほど差があったが、どうもそれが理由らしい。付属設備はシャワー、テレビ、ラジオ、それに湯沸かし器があるくらいの簡素なものだ。ロンドンにいる間はここで寝泊まりすることになる。

部屋でしばらくいるとKさんから、食事に行きませんか、と内線が入る。評判の良い店をネットで調べたそうだ。再び地下鉄に乗りサウス・ケンジントン(South Kensington)まで向かう。そこから歩いて5分くらいの場所にあるベトナム料理屋に入った。この店に着いた時には午後8時半ほどだったのに、外はまだ明るい。ロンドンで初めての食事だが、ソフトシェルクラブの唐揚げや春巻きなど料理はなかなか美味しかった。金額はチップを含め54ポンドくらいだ。それほど食べていないと思うが、やはり物価は高めな気がする。

ホテルに戻ったのは午後10時半ごろだった。シャワーを浴びて(部屋にはタオル石鹸しか置いてない)、11時にはすぐ眠る。ヴァン・モリソンのライブもついに明日に迫った。

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