ヴァン・モリソン「Best of Van Morrison, Vol. 3」(07年、輸入盤のみ)
(ディスク1)
(1)Cry for Home (with TOM JONES)
(2)Too Long in Exile
(3)Gloria(with JOHN LEE HOOKER)
(4) Help Me [Live](with JUNIOR WELLS)
(5) Lonely Avenue/4 O’Clock in the Morning [Live](with JIMMY WITHERSPOON)
(6)Days Like This
(7)Ancient Highway
(8)Raincheck
(9) Moondance(with GEORGIE FAME)
(10)Centerpiece [Live](with GEORGIE FAME&ANNIE ROSS)
(11)That’s Life [Live]
(12) Benediction [Remix](with GEORGIE FAME&BEN SIDRAN)
(13) Healing Game [Remix]
(14)I Don’t Want to Go Without You(with JAMES HUNTER)

(ディスク2)
(1)Shenandoah(with THE CHIEFTAINS)
(2)Precious Time
(3)Back on Top [Remix]
(4)When the Leaves Come Falling Down
(5)Lost John [Live](with LONNIE DONEGAN)
(6)Tupelo Honey(with BOBBY BLAND)
(7)Meet Me in the Indian Summer [Orchestral Version][Remix]
(8)Georgia on My Mind
(9)Hey Mr. DJ
(10)Steal My Heart Away
(11)Crazy Love(with RAY CHARLES)
(12)Once in a Blue Moon
(13)Little Village
(14)Blue and Green
(15)Sitting on Top of the World(with CARL PERKINS)
(16)Early in the Morning(B.B KING)
(17)Stranded

昨日HMVにて3035円でこれを買ってしまった。いつかは国内盤で出ると信じて待っていたけれど、一向に発売される気配がないからだ。

ヴァン・モリソンのライブを観るためにこの6月にロンドンへ渡った時、ちょうどこのベスト・アルバムが発売されたばかりだった。ヴァージンにもCDがたくさん並んでいたのを覚えている。その時は、さすがにベスト・アルバムなんだから日本でも出るだろう、と淡い期待を抱いていた。しかしこの10月には3枚組のベストも発売されるという話が聞こえてくる現在になっても出ないというのはどういうことだろう。ファンとしては嘆かわしいというか、実に情けない気持ちでいっぱいである。

キャリアはもう40年以上になるのでベスト盤など編集盤は色々と出てはいる。しかしあえて「3」と名前がつくのだから「ベスト・オブ・ヴァン・モリソン」(90年)、「ベスト・オブ・ヴァン・モリソン2」(93年)との連続性があるのは一目瞭然だ。実際、今回のアルバムは93年以降のヴァン・モリソンの軌跡を追った選曲となっている。

アルバム収録曲を眺めていると、この15年の特徴が2つ浮かんでくる。共演が多いこと、そしてカバー曲が多いことだ。

共演者はトム・ジョーンズ、レイ・チャールズ、B.Bキング、カール・パーキンス、ジョン・リー・フッカーほか、ロックン・ロール、ブルース、ソウルなど「ロック以前」の巨人がズラリと並ぶのがいかにもヴァンらしい。アルバムのジャケットにも共演者との写真がたくさん載っている。ちなみに共演は14曲だ。はっきりいって、多すぎる。

またカバーについても、全31曲のうち、自身のカバーを含め11曲だからやはり多いと言うしかない。「ベスト・オブ・ヴァン・モリソン」は全てオリジナル曲、「ベスト・オブ・ヴァン・モリソン2」ではゼム時代に録音したカバー2曲だけだから、いかに多いかがわかるだろう。

ここまでを読んだ人は、デュエットやカバーばっかりで変則的な内容、という印象を抱くかもしれない。しかし、近年のヴァン・モリソンを俯瞰するには格好のアルバムだ。初心者にはお勧めしかねるけれど、しばらくヴァンと疎遠だった人にはぜひ買ってほしい。

たとえば、アルバム「ヒーリング・ゲーム」(97年)からはタイトル曲”Healing Game”、「ダウン・ザ・ロード」(01年)から”Georgia on My Mind”のカバー、「ホワッツ・ロング・ウィズ・ジス・ピクチャー?」(03年)から”Once in a Blue Moon”など、それぞれの作品の聴きどころが厳選されているといえる。

ここに「デイズ・ライク・ディス」(95年)から”No Reliriegeon"、「マジック・タイム」(05年)からタイトル曲”Magic Time”が含まれていたらもっと良かったと個人的には思うが、いかがだろうか。私のようにオリジナル・アルバムを追っかけている人の意見を訊いてみたい。

アルバムに1曲だけ参加している曲が収録されているのも、オリジナル・アルバムを買うだけで手一杯なファンとしては嬉しい。特に98年のサウンド・トラック「ロング・ジャーニー・ホーム」でザ・チーフタンズと共演した”Shenandoah”の名演は見逃せない。これを聴いたことの無いファンに対しては「必聴!」と言っておく。

それにしても、オリジナル・アルバムが廃盤ばかりなんだからこのベストくらい日本盤が出てほしいと願うのだが。今度出る3枚組ベストも無理かもしれないな。

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