渡辺美里 神戸公演(07年11月24日、神戸国際会館こくさいホール)
2007年11月24日 渡辺美里もうすぐ2007年も終わる。あっという間に過ぎてしまい、何もしていないような気もする一方、思い起こせば6月に初めて海外へ行ってイギリスでヴァン・モリソンを観たりもしたから、自分ではいろいろと象徴的な1年であったのは間違いない(対外的には何のアピールにもならないだろうが)
そういえば8月も「青春18きっぷ」で旅をして九州にも初上陸したのだった。ちなみに熊本城の下で渡辺美里のライブをこの時に観ている。
なぜいま今年を振り返っているのかといえば、ライブについても残り2本しかないからである。そして、それは両方とも渡辺美里だ。彼女のライブはそれこそ熊本以来である。7月の横浜公演は奇跡的なほど良かったけれど、この時の内容は今ひとつだった。この「ココロ銀河ツアー」は果たして07年を締めくくるライブになるかどうか。夏のライブを思えば期待は五分五分というところだろう。
神戸公演の席は前から4列目とかなり良い席である。プログラムくらい買おうかとグッズ売り場に行ったけれど、DVD付きプログラムというものしか無かったのでやめた。そういえば横浜でも同じようなプログラムを買ったが開けてすらいない。別にライブ映像が入っているわけでもないし、こうした商品には積極的な興味が湧かないのが正直な気持ちだ。
席について待っていると、私の携帯ではまだ5時になっていないのに会場が暗くなって開演する。ステージの上にはプラネタリウムのごとく星空のような照明が浮き上がる。「銀河」と付くツアーということでの演出だろう。しかし会場も「おー!」とどよめきが起きるほど美しい光景だった。
“その手をつないで”、“KISS& CRY”とアルバム「ココロ銀河」(07年)の曲を立て続けに歌ったあと、ずっとアンコールの定番だった“サマータイム ブルース”が3曲目にして登場する。この時、これはいつものライブと違うのでは?と直感した。実際、今回のツアーの流れはこれまでとはかなり異色だ。
まず中盤ではキーボードの前に座って“私のカルテ”と“LOVE IS HERE”を歌った。これも個人的には驚きである。美里がキーボードの弾き語りするのを生で観るのはこれが初めてだったからだ(ライブ映像では観ているが)。ただ、バラードでもないこの2曲をどうして弾き語りする必然性があるのか理解できなかったけれど。
会場がこれ以上ないほど盛り上がった(やかましくなった)のはこの弾き語りの後だった。ずっと歌っていない曲があって、とかなんとか前置きをして大きなトランプのようなカードが6枚でてくる。バンドのメンバーがそれぞれ1枚を持ちだす。カードには曲名が入っていて、この中から選ばれた曲を歌うというのである。
誰にカードを引いてもらおう、などと美里が言えば会場が騒ぐわ騒ぐわ。中には、
「お願いします!」
と懇願するように叫ぶ人も出てくる。もちろんそんな輩を相手をする美里ではなく、前の席にいた小学生の男の子を指名して選ばせる。そして、そのカードの曲名が“Heart Of Gold”であった。うーん、“Heart Of Gold”かあ。好きな曲だけど、別にいままで演奏していないとかそういうわけでもないだろう。他の会場の曲目を調べると、札幌ではなんと“Kick Off”が演奏されたらしい。アルバム「Lucky」(91年)に入っているこの曲はおそらく、91年以来ずっと歌っていない。それこそ貴重な話であるし、他のカードの曲も同じレベルにしてほしかった気はする。ただ、私はまだ大阪公演が残っているので、聴ける可能性はまだあるかもしれないが。
今年出たアルバム「ココロ銀河」(07年)の楽曲からは、7月の横浜ライブで披露されなかったものが目立つ。おそらく意識的にそうしているのだろう。おとなしい曲が多いアルバムなので中盤はちょっと静かな気もしたが、“Cosmic Girl”、“パイナップル ロマンス”などで盛り上がる部分もあったし、美里の声もよく出ていた。
アンコールで“Long Night”や“eyes”が聴けたというのも新鮮な体験だった。“Long Night”は西武ライブでしか聴いたことがないし、“eyes”は99年の「うたの木」以来だと思う。さらに“Boys Cried”にいたっては、記憶が間違っていなければ92年の「スタジアム伝説」、つまり私が生まれて初めて観たライブから聴いてないと思う。生きていたら色々なことが経験できるなと感じた瞬間であった。
15年ほど彼女のライブに立ち会った身としては、とにかく今回の選曲は実に新鮮だった。まだ大阪でもう1度ライブが観られるのは嬉しい。会場を出る時にそう感じるくらいに楽しめて満足できた公演であった。最後に演奏曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)その手をつないで
(2)KISS& CRY
(3)サマータイム ブルース
(4)Boys Cried (あの時からかもしれない)
(5)青い鳥
(6)私のカルテ
(7)LOVE IS HERE
(8)Heart Of Gold
(9)熱情
(10)また、明日
(11)Cosmic Girl
(12)パイナップル ロマンス
(13)ムーンライト ダンス
(14)ココロ銀河
(15)10years
〈アンコール〉
(16)Long Night
(17)とびだせ青春
(18)My Revolution
(19)eyes
そういえば8月も「青春18きっぷ」で旅をして九州にも初上陸したのだった。ちなみに熊本城の下で渡辺美里のライブをこの時に観ている。
なぜいま今年を振り返っているのかといえば、ライブについても残り2本しかないからである。そして、それは両方とも渡辺美里だ。彼女のライブはそれこそ熊本以来である。7月の横浜公演は奇跡的なほど良かったけれど、この時の内容は今ひとつだった。この「ココロ銀河ツアー」は果たして07年を締めくくるライブになるかどうか。夏のライブを思えば期待は五分五分というところだろう。
神戸公演の席は前から4列目とかなり良い席である。プログラムくらい買おうかとグッズ売り場に行ったけれど、DVD付きプログラムというものしか無かったのでやめた。そういえば横浜でも同じようなプログラムを買ったが開けてすらいない。別にライブ映像が入っているわけでもないし、こうした商品には積極的な興味が湧かないのが正直な気持ちだ。
席について待っていると、私の携帯ではまだ5時になっていないのに会場が暗くなって開演する。ステージの上にはプラネタリウムのごとく星空のような照明が浮き上がる。「銀河」と付くツアーということでの演出だろう。しかし会場も「おー!」とどよめきが起きるほど美しい光景だった。
“その手をつないで”、“KISS& CRY”とアルバム「ココロ銀河」(07年)の曲を立て続けに歌ったあと、ずっとアンコールの定番だった“サマータイム ブルース”が3曲目にして登場する。この時、これはいつものライブと違うのでは?と直感した。実際、今回のツアーの流れはこれまでとはかなり異色だ。
まず中盤ではキーボードの前に座って“私のカルテ”と“LOVE IS HERE”を歌った。これも個人的には驚きである。美里がキーボードの弾き語りするのを生で観るのはこれが初めてだったからだ(ライブ映像では観ているが)。ただ、バラードでもないこの2曲をどうして弾き語りする必然性があるのか理解できなかったけれど。
会場がこれ以上ないほど盛り上がった(やかましくなった)のはこの弾き語りの後だった。ずっと歌っていない曲があって、とかなんとか前置きをして大きなトランプのようなカードが6枚でてくる。バンドのメンバーがそれぞれ1枚を持ちだす。カードには曲名が入っていて、この中から選ばれた曲を歌うというのである。
誰にカードを引いてもらおう、などと美里が言えば会場が騒ぐわ騒ぐわ。中には、
「お願いします!」
と懇願するように叫ぶ人も出てくる。もちろんそんな輩を相手をする美里ではなく、前の席にいた小学生の男の子を指名して選ばせる。そして、そのカードの曲名が“Heart Of Gold”であった。うーん、“Heart Of Gold”かあ。好きな曲だけど、別にいままで演奏していないとかそういうわけでもないだろう。他の会場の曲目を調べると、札幌ではなんと“Kick Off”が演奏されたらしい。アルバム「Lucky」(91年)に入っているこの曲はおそらく、91年以来ずっと歌っていない。それこそ貴重な話であるし、他のカードの曲も同じレベルにしてほしかった気はする。ただ、私はまだ大阪公演が残っているので、聴ける可能性はまだあるかもしれないが。
今年出たアルバム「ココロ銀河」(07年)の楽曲からは、7月の横浜ライブで披露されなかったものが目立つ。おそらく意識的にそうしているのだろう。おとなしい曲が多いアルバムなので中盤はちょっと静かな気もしたが、“Cosmic Girl”、“パイナップル ロマンス”などで盛り上がる部分もあったし、美里の声もよく出ていた。
アンコールで“Long Night”や“eyes”が聴けたというのも新鮮な体験だった。“Long Night”は西武ライブでしか聴いたことがないし、“eyes”は99年の「うたの木」以来だと思う。さらに“Boys Cried”にいたっては、記憶が間違っていなければ92年の「スタジアム伝説」、つまり私が生まれて初めて観たライブから聴いてないと思う。生きていたら色々なことが経験できるなと感じた瞬間であった。
15年ほど彼女のライブに立ち会った身としては、とにかく今回の選曲は実に新鮮だった。まだ大阪でもう1度ライブが観られるのは嬉しい。会場を出る時にそう感じるくらいに楽しめて満足できた公演であった。最後に演奏曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)その手をつないで
(2)KISS& CRY
(3)サマータイム ブルース
(4)Boys Cried (あの時からかもしれない)
(5)青い鳥
(6)私のカルテ
(7)LOVE IS HERE
(8)Heart Of Gold
(9)熱情
(10)また、明日
(11)Cosmic Girl
(12)パイナップル ロマンス
(13)ムーンライト ダンス
(14)ココロ銀河
(15)10years
〈アンコール〉
(16)Long Night
(17)とびだせ青春
(18)My Revolution
(19)eyes
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