ヴァン・モリソン「Live at Austin City Limits Festival」(06年。輸入盤。公式サイトで購入可)
【CD1】
(1)Back On Top
(2)Big Blue Diamonds
(3) Playhouse
(4)Days Like This
(5)Muleskinner Blues
(6) In The Midnight
(7)Bright Side Of The Road
(8)Don’t You Make Me High
(9)Cleaning Windows
(10) I Can’t Stop Loving You

【CD2】
(1) Real Real Gone / You Send Me
(2)Saint James Infirmary
(3)Moondance
(4) It’s All In The Game / You know What They’re Writing About
(5)Precious Time
(6) Don’t Start Crying Now/Custard Pie
(7) Wild Night
(8)Brown Eyed Girl
(9)Gloria

私にとっての2007年は「旅」の年であった。8月は青春18きっぷで初めて九州に行き、6月はこれまた初の海外旅行でロンドンを渡る。しかしどちらもライブ絡みであり、純粋に旅行をしたかったわけではない。特にロンドンについては、やむにやまれぬ気持ちで行ったというの正直な感想である。私を旅に駆り立てたのは、死ぬまでに一度ヴァン・モリソンを観たい、という思いだけだった。

それはともかく、そのロンドンで夢だったヴァン・モリソンのライブに立ち会えたということで07年は自分の中に永遠と残る年になった。そんなことを振り返りながらこのアルバムについて書いてみたい。

「Live at Austin City Limits Festival」は名前の通りライブ・アルバムで、2006年9月15日の模様を(おそらく)全て収めた内容となっている。当初はライブ会場限定発売というものであった。いまはヴァンの公式サイトからでも購入できる。私はもちろんロンドンの会場で売っていたのを手に入れた(ちなみにネットでの買い方はわからない)。

http://www.vanmorrison.co.uk/

ヴァンの公式ライブ・アルバムで主要なものといえば、

「IT’S TOO LATE TO STOP NOW」(74年)
「LIVE AT THE GRAND OPERA HOUSE」(84年)
「A NIGHT IN SAN FRANCISCO」(94年)

の3種類がある。これらのアルバムとの大きな違いといえば、1日のライブをまるまる収めた点であろう。そして、音の感触も他の作品とずいぶん異なる。

少なくとも 「A NIGHT IN SAN FRANCISCO」の頃のブルース色の強いバンドとはかなり違う。フィドル(バイオリン)やスライド・ギターが入っていてカントリー的な要素が強い。またバックのコーラス隊も活躍しているのも大きな特徴だ。平たくいえば、パッと聴いた限りかなり地味な印象を受ける。ヴァンの目下の最新作はカントリーのカバー集「ペイ・ザ・デヴィル」(06年)だけれど、これがいまのヴァンの求めている音なのだろうか。

また、私がロンドンで観たライブではずいぶんヴァンはサックスなどを演奏してたけれど、このアルバムに関してはほとんど影をひそめている。あの“ Real Real Gone”ですらまったくホーンは出てこない。その辺がなんとかなったら、まだ作品に華を添えていたような気もするのだが。もっといえば、ゲストのような存在もない。

とはいえ、実際にライブを観た私には感慨深い思いを与えるアルバムには違いない。“Bright Side Of The Road”、“Cleaning Windows”、“ I Can’t Stop Loving You”、“Moondance”といった曲を中盤にはさみ、“Brown Eyed Girl”、“Gloria”で締めるという流れは一緒だ。いまのヴァンがどのようなライブをしているのかを捉えるのにこれ以上のものは無いだろう。

このアルバムを聴きながら今ごろになって、ヴァン・モリソンを観れて幸福だったことをつくづく感じている。

来年はヴァンの旧作29枚が一挙に再発されるというものすごいニュースも届いている。日本盤も実現して、その先は来日・・・などと妄想をしながら2007年を終わろう。

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