イースタン・ユース 京都公演(08年1月22日、磔磔)
2008年1月22日 ライブ・レポート磔磔に行く時はいつも道に迷ってしまう。ジュンク堂書店の面する富小路通を下がり、行き止まりにぶつかったら右折してすぐ次の通りを南下すれば店は見つかる。にもかかわらず、「この道で合ってたかなあ?」と不安になりながら歩く自分がいる。すでに5回くらいは足を運んでいるのに。たぶんこの場所にあまり愛着がないからだろう。
ただミュージシャンには人気があるようで、繰り返しここでライブをする人が多い。今日のイースタン・ユース(eastern youth)もその1組である。そして、私が磔磔に行く機会は彼らが演奏をする時くらいしかない。
午後5時50分、開場の10分前には到着する。外が寒いとはいえ、待っている人は30人ほどしかいない。当日券も出ているし、果たしてどれくらい集まるか心配でならない。私のチケットの整理番号は「A54番」、発券した時は悪くないなと思ったけれど、実はそうでもなかったりして。
ともかく会場に入り、前方右側にあるベンチに座って待っていた。開演直前にはかなりの人で埋まったものの、見た目は8割くらいというところだろうか。どうみても前回(06年5月13日)よりお客の数が減っている。
開演時間を5分ほど過ぎてバンドが登場する。冒頭は新作アルバム「地球の裏から風が吹く」(07年)から4曲を立て続けに演奏した。結果を先にいえば、“ばかやろう節”以外のアルバム曲すべてを披露する。しかしアルバムの出来が良かったからこういう展開に文句はない。むしろ個人的には“踵鳴る”や“いずこへ”などよりもアルバム曲の方が印象に強く残っている。単純に騒いだり暴れたりするには向いてない曲かもしれないが、ちゃんと聴けばその音の充実さが伝わってくる。
実際のところ、お客の反応は概して大人しい。曲によっては暴れていた人もいたけれど、全体としてはほとんど見掛けなかった。私が初めて彼らのライブを観たのは02年の大阪BIG CATで、最前列で観たおかげで押しつぶされて、服もドロドロになったことを今でも覚えている。暴れる連中がいなくなったのは結構だが、じっくりイースタン・ユースの音を聴ける環境がライブ会場でも整った今だからこそ新しい聴き手がどうにか増えないかと思ってしまう。
そんなことを思いながらステージを観れば、顔をゆがめて唾を吐きながら歌ったり、汗をダラダラかいても拭かずに眼鏡を曇らせている吉野寿の姿があった。相変わらず特異なバンドである。それゆえ一部のファンしかいないのも仕方ない話なのだろうか。
アンコールでは、現在ネット配信のみをしている新曲“赤い胃の頭ブルース”を聴くことができた。それも合わせて全16曲、いままでで最も曲数が多いといえる。ライブが終わったのは8時45分で、時間は1時間40分ほどでそれほど長くはなかった。おそらくMCが控えめだったからだろう。
MCといえば吉野寿が、京都に初めて来たのは「どんぞこハウス」という地下のライブハウスで、その時のお客が5人だったと話していた。興味深い話なので付け加えておきたい。
昔の曲が聴きたい人にはかなり不満な選曲だったかもしれないが、私にとってはこれまでのライブの中でも特筆の内容になりそうな気がする。本編最後が“沸点36℃”というのも良かった。
来月は大阪でもう1回観られるし、もしこれから結成20年記念で「極東最前線」があるならば上京も考えてみたい。最後に演奏曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)地球の裏から風が吹く
(2)滑走路と人力飛行機
(3)五月の空の下で
(4)野良犬、走る
(5)ギラリズム夜明け前
(6)青すぎる空
(7)いずこへ
(8)雨曝しなら濡れるがいいさ
(9)旅行者達の憂鬱
(10)踵鳴る
(11)白昼の行方不明者
(12)サンセットマン
(13)沸点36℃
〈アンコール〉
(14)夜がまた来る
(15)赤い胃の頭ブルース
(16)荒野に針路を取れ
ただミュージシャンには人気があるようで、繰り返しここでライブをする人が多い。今日のイースタン・ユース(eastern youth)もその1組である。そして、私が磔磔に行く機会は彼らが演奏をする時くらいしかない。
午後5時50分、開場の10分前には到着する。外が寒いとはいえ、待っている人は30人ほどしかいない。当日券も出ているし、果たしてどれくらい集まるか心配でならない。私のチケットの整理番号は「A54番」、発券した時は悪くないなと思ったけれど、実はそうでもなかったりして。
ともかく会場に入り、前方右側にあるベンチに座って待っていた。開演直前にはかなりの人で埋まったものの、見た目は8割くらいというところだろうか。どうみても前回(06年5月13日)よりお客の数が減っている。
開演時間を5分ほど過ぎてバンドが登場する。冒頭は新作アルバム「地球の裏から風が吹く」(07年)から4曲を立て続けに演奏した。結果を先にいえば、“ばかやろう節”以外のアルバム曲すべてを披露する。しかしアルバムの出来が良かったからこういう展開に文句はない。むしろ個人的には“踵鳴る”や“いずこへ”などよりもアルバム曲の方が印象に強く残っている。単純に騒いだり暴れたりするには向いてない曲かもしれないが、ちゃんと聴けばその音の充実さが伝わってくる。
実際のところ、お客の反応は概して大人しい。曲によっては暴れていた人もいたけれど、全体としてはほとんど見掛けなかった。私が初めて彼らのライブを観たのは02年の大阪BIG CATで、最前列で観たおかげで押しつぶされて、服もドロドロになったことを今でも覚えている。暴れる連中がいなくなったのは結構だが、じっくりイースタン・ユースの音を聴ける環境がライブ会場でも整った今だからこそ新しい聴き手がどうにか増えないかと思ってしまう。
そんなことを思いながらステージを観れば、顔をゆがめて唾を吐きながら歌ったり、汗をダラダラかいても拭かずに眼鏡を曇らせている吉野寿の姿があった。相変わらず特異なバンドである。それゆえ一部のファンしかいないのも仕方ない話なのだろうか。
アンコールでは、現在ネット配信のみをしている新曲“赤い胃の頭ブルース”を聴くことができた。それも合わせて全16曲、いままでで最も曲数が多いといえる。ライブが終わったのは8時45分で、時間は1時間40分ほどでそれほど長くはなかった。おそらくMCが控えめだったからだろう。
MCといえば吉野寿が、京都に初めて来たのは「どんぞこハウス」という地下のライブハウスで、その時のお客が5人だったと話していた。興味深い話なので付け加えておきたい。
昔の曲が聴きたい人にはかなり不満な選曲だったかもしれないが、私にとってはこれまでのライブの中でも特筆の内容になりそうな気がする。本編最後が“沸点36℃”というのも良かった。
来月は大阪でもう1回観られるし、もしこれから結成20年記念で「極東最前線」があるならば上京も考えてみたい。最後に演奏曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)地球の裏から風が吹く
(2)滑走路と人力飛行機
(3)五月の空の下で
(4)野良犬、走る
(5)ギラリズム夜明け前
(6)青すぎる空
(7)いずこへ
(8)雨曝しなら濡れるがいいさ
(9)旅行者達の憂鬱
(10)踵鳴る
(11)白昼の行方不明者
(12)サンセットマン
(13)沸点36℃
〈アンコール〉
(14)夜がまた来る
(15)赤い胃の頭ブルース
(16)荒野に針路を取れ
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