人生には3つの坂があるという。

上り坂、下り坂、そして「まさか」だ。

この話はテレビのワイドショーで誰かが言っていたと記憶している。ライブドアの話題の中で、株式について触れた時のことだったか。株式や先物取り引きといった投資にも「まさか」は付きものである。

たむらけんじが経営する焼肉店「炭火焼き肉たむら」名古屋店で4人が食中毒を出した、というニュースを観た時に浮かんだのが、さきの「まさか」の話だ。個人的には、商売がうまくいってるのは結構だけど店舗を広げすぎでは?と不安だった。そのさなかにこの報道である。ちなみに私は先月(6月17日)に「炭火焼き肉たむら」本店へ訪れている。

まず気になったのが彼のブログだった。

http://tamuken.laff.jp/

たむけんのブログは不特定多数が承認なしでコメントできる形になっている。行ってみると案の定、

「食中毒おめでとうございます! 芸能界から消えて下さい!」

、とここぞとばかりに誹謗中傷を書き込むクズどもと、

「私わたむけんさん応援してますよ」

のようなファンからの「励ましの言葉」で埋め尽くされていた。

私としては、たむけんがこの事態にまずどのように対応するかが気になっていた。食中毒を出してしまったことは、もう取り返しがつかない。大事なのは、これから彼がどうするかである。

ひとまず、7月28日の夜におこなった記者会見でグレーのスーツを着たたむけんは、

「来ていただいた方の期待を裏切り、苦しい思いをさせてしまい本当に申し訳ありません。今後は一層、衛生面に注意を払っていきます」

「店に顔を出すたび、洗浄などは徹底してやるよう、口を酸っぱくして言ってきた。ただ、昨年の夏場にもこんなことはなかったのでボク自身、生肉を扱うことに対する甘さがあったと言われても仕方がない」

などと自分の責任を率直にお詫びはしていた。

これを機会にまた一から出直してほしい、といった言葉で締めたいけれど、正直いって不安をぬぐいきれない。私の頭にはあの船場吉兆の例がちらつくからだ。あそこは産地偽装問題で営業停止になり、一度は営業を再開したものの使い回しの発覚によって店は完全につぶれてしまった。だからたむけんにしても、またちょっとでも不祥事を起こしたら再起不能になるのでは、と恐れてしまうのである。

ラーメン店を営業している知り合いの方の話を聞くと、大きなチェーン店の居酒屋もけっこう食中毒の事件を起こしているらしい。しかし話題にはあまりならないというだけの話のようである。産地偽装や使い回しもおそらくそうだろう。いわば「どこでもやっている。どこでも起きている」というレベルの出来事なのかもしれない。しかし船場吉兆は有名店ゆえにマスコミの取り上げ方が大きかった。

それから、マスコミも世間も、さんざん持ち上げたあげくに叩き落とすのが大好きという部分もある。私としてはたむけんがそういうことに巻き込まれるのを見たくない。彼にとってはいらぬ心配かもしれないけれど、そういう思いで今後も彼の活動を追っていきたい。

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