渡辺美里「Voice2」(08年)
(1)スピリッツ
(2)ムーンライトピクニック
(3)すき
(4)夏のカーブ〜一瞬の夏〜真夏のサンタクロース
(5)Tokyo Calling
(6)BIG WAVEやってきた
(7)チェリーが3つ並ばない
(8)夏だより
(9)ココロ銀河
(10)Cosmic Girl
(11)夏が来た!〜三百六十五歩のマーチ
(12)恋するパンクス〜ブルーライトヨコハマ
(13)輝く道
(14)37.2℃ (夢みるように うたいたい)
(15)Welcome
(16)月の砂漠
(17)SHOUT(ココロの花びら)
(18)もっと遠くへ・・・
(19)その手をつないで
(20)KISS & CRY
(21)LOVE IS HERE
(22)Oh! ダーリン
(23)Gift                         
(24)Long Night
(25)青い鳥
(26)私のカルテ
(27)熱情                         
(28)ココロ銀河  
(29)10years
(30)My Revolution
(31)Lovin’ you

昨年から始まった渡辺美里のDVDシリーズ「Voice」の2作目が発売した。今回は07年の彼女の活動を追ったものである。

去年の美里はけっこう色々なことをした。与謝野晶子の詩の朗読会「言の葉コンサート」の参加、森林保護のために薬師寺でおこなわれた「Present Tree」、恒例の夏のライブは横浜、秋から冬にかけての「ココロ銀河ツアー」など。ライブした会場は多岐にわたる。

その中でも横浜でのライブは奇跡的な素晴らしさだった。序盤から本編終了までの流れは神がかりといえるもので、久しぶりに「信者」に戻りそうになるほど気分が高揚したことを覚えている。特に“夏のカーブ”〜“一瞬の夏”〜“真夏のサンタクロース”のメドレー、そして続く“Tokyo Calling”はこのライブと白眉といえよう。自分でも目の前で起こっていることが信じられなかった。膨大な名曲(主に80年代に作られたものだが)を持つ彼女のみができる力業である。

しかし、だからこそライブの模様が細切れになっているのが残念でならない。全ての活動を収めたい気持ちは理解できるけれど、2時間近く(正確には113分)でまとめれば無理がでてくる。結果として“夏のカーブ”メドレーも要約されてしまった。“一瞬の夏”が始まる時の、(尾崎豊の“卒業”を連想させる)あの学校のチャイムの音をまた聴きたかった。

ただ救いなのは、もう一つのハイライトである“Tokyo Calling”が完全に収録されていることだ。これは「快挙」という表現を使っても言い過ぎではない。88年のアルバム「ribbon」に収録されているこの曲が21世紀になって聴けるとは。会場でこの曲が出てくると思った人は皆無だったに違いない。嬉しいことに、今は何度も再生して観ることが可能だ。個人的にはそれだけでもDVDを買う価値はあると思っている。

他に1曲まるまる収めている曲といえば

夏だより
ココロ銀河
輝く道
夏が来た!

これくらいだったか。あとの曲は微妙にカットされていて「完全収録」とは言いづらいものばかりである。

“夏が来た!”は熊本城の下でおこなわれた時のもので、この曲をバックにライブの風景がダーッと流れてくる。ライブの模様を断片的に紹介するよりも、この“夏が来た”のような手法にしたほうが良かったのではという気がする。

去年のライブは私もいろいろ行ったけれど(詩の朗読会、薬師寺、横浜、熊本、大阪と神戸のツアー、元日ライブ)、横浜ライブと「ココロ銀河ツアー」の神戸公演以外はそれほど印象には残っていない。しかし、こうしてダイジェストで辿ってみると観るべき点はあるかなとも思えてくる。

収録曲が昨年出たアルバム「ココロ銀河」の曲に比重が置いてあるのも、07年の記録と考えれば納得もいく。それから、最近の彼女の傾向からすれば「ココロ銀河」の収録曲が今後も演奏される可能性は低い。そういう意味でも貴重な記録となるかもしれない。

そう書きながらも、さきのメドレーや“Tokyo Calling”ばかりを繰り返している自分がいる。もっといえば、こうした瞬間に立ち会うがためにわざわざ横浜までライブを観に行ったわけだ。今年もこのような「瞬間」が訪れるのだろうか。今の私が彼女に期待することがあるとすれば、そういうことである。

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