2009年最後の日は寒さの厳しい日となった。昼間は某ラーメン店で塩ラーメンを食べていたけれど、その時間も既に雪がちらついていた。

「こんな状態だったら、今夜はどうなるのだろう?」

そんなことを思いながら塩ラーメンをすすっていた。

今夜は大阪国際会議場まで渡辺美里のライブへ行く。開演はなんと午後10時である。2009年から10年をまたぐ、いわゆる「カウントダウン・ライブ」を開催するからだ。部屋を出たのは午後7時ごろ、市バスで京阪「出町柳」駅前まで向かい、そこから京阪電車の快速急行で「中之島」までは1本で行ける。会場は駅のほぼ真上である。京阪電車も路線が増えて多少は便利になった。しかし改札口を出て地上に出たとたん、とんでもない寒さが襲いかかってくる。これは寒い!急いで会場の中を入りエレベーターでメインホールに向かった。

会場に着いたのは9時すこし前だったろうか。最近は「ファンクラブ優先入場」というものを実施していて、会員証やファンクラブ先行販売で買ったチケット(種類が違う)を提示すれば先に会場へ入ることができる。さっさと入りたいのでチケットを見せて場内に進んだ。入り口で記念品の升をもらう。元日ライブでも既に2個もらっているのでこれが3個目となる。升なんて使わないんだけどなあ。

グッズ売り場は長蛇の列で、一般のお客が入場するのを待たずして「sold out」(完売)の商品もすでに出ている。また大晦日らしく年越しそばのブースもあり、そこも盛況だ。さらに、会場内にはまだ物販があった。日本酒である。1本6000円という結構な値段だったので無視するつもりだったが、樽酒が300円で提供されていたので、ライブ前にもかかわらず飲んでしまった。酒はもちろんさっきの升に入れてもらう。ここで初めて升が役に立ったけれど、これで酒を飲むと木の味がしていただけない。酒自体も甘さがちょっと強いし個人的に好みではなかった。その酒を空けたらエスカレーターを上がって席に向かう。

私の席は「Bm列12番」で、前後では真ん中、左右では中央よりやや左、というくらいの普通の席だった。元旦ライブではファンクラブ先行でも2階席の後方に割り振られたから、今回のチケットの売れ行きはやや渋かったのだろうか。それとも私の運が良かったのか、というほど良い席でもないけれど。周りを見れば
「25」という字がプリントされた真っ赤なTシャツを着ている人が目につく。来年で彼女もデビュー25周年だ。そんなことを思っているうちに午後10時となり、”世界で一番遠い場所”で今年最後のライブが幕が開ける。そして”すき”、”BELIEVE”と、どこかで見たような曲順となる。彼女のライブに対しては常に期待値ゼロで会場に臨んでいる私ではあるが、今夜も平凡な選曲で終わるかなあと、この時点ではうっすらと予測していたものである。

しかし、である。この日の彼女は、特に往年のファンに対して、とんでもないお年玉を用意していた。まず圧巻だったのは、来月に発売されるシングル・コレクション「Song is Beautiful」からメドレーを披露したことだ。出だしが”メリーゴーランド”(92年)というのも意表をつかれたし、すっかり忘れていた”やさしく歌って~Killing me softly with his song~”(02年)や”YOU~新しい場所~”(02年)というのも面白い。”一緒だね”(97年)の時期はファンを続けるかどうか個人的に最も悩んでいたなあ、などと思い出したり、ともかく色々なことが頭の中を駆け巡る瞬間だった。

初期の”死んでるみたいに生きたくない ”(85年)や”Teenage Walk”(86年)あたりが会場では盛り上がっただろうが、私としては初めてライブで”Power-明日の子供-”(90年)と”君の弱さ”(88年)を聴けたのが大収穫だった。自分らしくないが、会場で一緒になって歌ってしまうほどである。CDでも長らく聴いてなかったけれど、自分の体の中に深く刻まれているんだなあ、と我ながら感心してしまった。MCで美里は、「通好み」の選曲うんぬんと言っていたけれど、いやはや恐れ入った。このメドレーが終わった時点で、もう満足です、という心境である。

しかし、驚きはまだ終わりではなかった。ゴンチチのゲスト参加、”恋したっていいじゃない”の途中で新年のカウントダウンをして終盤へと突入したわけだが、本編の最後がなんと”Promise”(95年のシングル”世界で一番遠い場所”のカップリング曲)だったのである。この曲も、一度は聴きたいなあ、と長年思っていたので、こんなところで叶えられるとは驚きだった。

こういうこと言うのもどうかと思うけれど、彼女のライブにしては珍しく収穫の多い内容となった。こうしてメドレーとしてまとめて聴くと、彼女の持っている曲は、大半は最初の10年間くらいだが、豊かなカタログを持っているのだなあと実感する。それはポッと出の歌手やミュージシャンとでは比較対象にならない質量である。これからもぜひ、これらの財産をうまく活動につなげれられたら嬉しいのだが。

ライブが終わったのは午後1時近くである。すぐ京阪電車に乗り、タクシーで部屋に戻ったのは午後3時ごろだった。最後に曲目を記す。

【演奏曲目】
(1)世界で一番 遠い場所
(2)すき
(3)BELIEVE
(4)Gift
(5)「Song is beautiful」メドレー
メリーゴーランド /その手をつないで /IT’S TOUGH /死んでるみたいに生きたくない /やさしく歌って~Killing me softly with his song~ /一緒だね /YOU~新しい場所~/ Teenage Walk /Power-明日の子供-/ドラえもんのうた /君の弱さ
(6)ムーンライト ダンス
(7)スピリッツ~大阪ラプソディー
(8)サマータイム ブルース
(9)始まりの詩、あなたへ
(10)My Revolution
(11)サンキュ(with ゴンチチ )
(12)Moon river (with ゴンチチ )
(13)課外授業 (ゴンチチのみ)
(14)放課後の音楽室 (ゴンチチのみ)
(15)あしたの空
(16)恋したっていいじゃない※ここでカウントダウン
(17)ジャングル チャイルド
(18)グッときれいになりましょう
(19)GROWIN’ UP/Can’t take my eyes off of you
(20)Promise

<アンコール>
(21)10 years
(22)いつか きっと

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