2月21日、任期満了にともなう長崎県知事選挙が投開票日を迎えた。結果は自民・公明の支援する中村法道氏(前・長崎県副知事)が、民主党ほか与党が支持する候補者を大差で破り当選する。昨年夏の衆議院選挙では民主党の新人である福田衣里子氏が自民党の大物である久間章生氏を破った勢いもあり、昨秋までは「与党有利」との評価が強かった。それが一転の大逆風である。

この選挙結果を受けて与党も危機感をかなり強めているようだ。鳩山由紀夫総理大臣は選挙の翌朝、

「厳しかった。国政の影響があったことは否めない。政治とカネの問題の影響を受けたと言うべきだ。真摯に受け止める必要がある」

と記者団の質問に答えている。マスコミ各社も大半は、総理や小沢幹事長の「政治とカネ」問題が大敗の原因と分析しているようだ。

本当にそうかねえ?

間違いとまでは言えないまでも、答えとしては半分くらいしか合っていないように感じて仕方ないのだ。

もし有権者が「政治とカネ」がらみの問題を嫌がったのだとしたら、長年にわたってその代名詞だった自民党の支持する人に投票することはあり得ないのではないか。それは時計の逆回りにしかならない。

私はこの選挙に関してほとんど予備知識は皆無の立場であるものの、それゆえ事態をもっと単純に考える。ここ最近は民主党にとってイメージの悪くなるニュースばかり続き、無党派層をはじめとする有権者が嫌気をさした。それだけの話ではないだろうか。

そもそも「無党派層」だの「浮動票」だのといった言葉の響きからしてフラフラした感じがつきまとう。こうした人たちは政治に対してこだわりのようなものは希薄である。端的にいえば「流されやすい」。昔のことも執念深く覚えていないから、ある時は「郵政民営化」という雰囲気に流され、またある時は「政権交代」という言葉に踊らされる。それが悪いなどというつもりは全くないけれど、おそらくはそんな感じで投票したのだろう。さらに言えば、小選挙区制という仕組みがそれを助長させていることも無視できない。

ともかく、民主党もこのまま悪い印象を抱かせる話題ばかり提供するような状態では、今年の参議院選挙も大逆風なものとなる可能性も大いにありうる。

昨年の「政権交代」も、参議院選が終わった後は「歴史の1コマ」とか「去年の夏の風物詩」とかの一言で片付けられるかもしれない。それが世間というものなのだが。


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