年をとったなあ、と感じる瞬間がある。20代の人と話している時に、同年代の人間だったら当然と思える知識が通じないという事態が起きた場合だ。

たとえば、私の5歳下の男性に向かって、

「戸塚ヨットスクールって知ってる?」

と訊いたらキョトンとしていた。以来、20代の人たちに同じ質問をすることが時々ある。

さらに今の大学生に至っては「平成生まれ」である。一回り以上も離れてしまったから、もう私らの世代の話はほとんど有効ではないだろう。と思っているうちに、

「そういえば平成といったら・・・」

と、あることが思いついた。そしてある時、現役大学生にこう訊いてみる。

「消費税って昔はなかったの知ってる?」

と。

そうしたら案の定、相手はけっこう驚いた顔をする。

「昔は3%とか、じゃなかったんですか?」

それはそうだけど、「消費税0%」の時代があったんだよ。

ちなみに我が国で消費税が施行されたのは平成元(1989)年4月1日からだ。よって、平成生まれの子たちがこのような反応をとるのも自然といえば自然ではある。

思えば、尾崎豊のデビュー曲”15の夜”(83年)の歌詞に、

「100円玉で買えるぬくもり 熱い缶コーヒー握りしめ」

という部分があるけれど、缶ジュースが100円で買えるというのも遠い昔の話だ(たまに100円で買える自動販売機もあるけどね)。100円玉一枚で買えなくなったのには、最初はかなり違和感があったけれど、そんな感覚も平成生まれにはわからないだろうな。

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