知れば知るほどわからなくなる「無煙タバコ」
2010年5月19日5月17日からJTより、「無煙タバコ」の「ゼロスタイル・ミント」が都内限定で発売された。無煙タバコは国内主流の「紙巻きタバコ」とは違い、火も使わないし煙も出ない「かぎたばこ」という種類のものである。それだったら「禁煙パイポ」とかと一緒じゃないの?と思ったが、位置づけはれっきとした「タバコ」だ。「ゼロスタイル・ミント」のパッケージには、
「本商品はたばこ製品です」
と念を押すように書かれているし、
「かぎたばこの使用は、あなたにとって口腔がんの原因のひとつとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性を高めます」
という最近ではお決まりの一文もしっかりと入っている。
ネットを辿っていろいろ調べてみると、タールは含まれないが微妙のニコチンを含んでいる、と書かれている。ニコチンを含んでいればタバコなのだろうか。吸わない人間にとっては、この説明を見るとますますタバコの定義がわからなくなってくる。
混乱しているのは私のような人間ばかりではない。無煙タバコは煙も匂いも出ないわけだが、日本航空では機内で吸ってもOKな一方、全日空は認めないという。また、京都市でも「禁煙地区」なるものが広がっているけれど、区内全域の路上喫煙を禁じている東京都千代田区は、
「当面は禁止の対象外。たばこの火で他人に危害を加える恐れもない」(千代田区安全生活課)
とのことだ(「毎日新聞」5月17日21時13分配信の記事より)
しかしながら個人的に一番の疑問は、なぜJTがこのような中途半端な(煙が出ないだけで、体に害がある)商品を世に出したかという点だ。
誰もが実感でわかると思うが、国内におけるタバコの売り上げは減少の一途をたどっている。日本たばこ協会の発表によれば2009年度の反対数量は2339億本、ピークだった1996年度(3483億本)から実に3割も減っているのである。
これもわかりやすい話だが、タバコ本体の度重なる値上げ、会社や施設内の禁煙区域の拡大、自動販売機における「タスポ」のわずらわしい年齢確認の導入など、非喫煙者からみても「これはあんまりでは?」と感じる政策が続いてきた。これでタバコの売り上げが伸びるなら奇跡である。
だが国は喫煙者を減らす方向で動いている一方、JTも売り上げをなんとか確保しようと考えているのだろう。その苦肉の策が今回の無煙タバコだったのではないだろうか。いずれにせよ、いかにもちぐはぐな国の方針が透けてみえる商品である。
「本商品はたばこ製品です」
と念を押すように書かれているし、
「かぎたばこの使用は、あなたにとって口腔がんの原因のひとつとなり、心筋梗塞・脳卒中の危険性を高めます」
という最近ではお決まりの一文もしっかりと入っている。
ネットを辿っていろいろ調べてみると、タールは含まれないが微妙のニコチンを含んでいる、と書かれている。ニコチンを含んでいればタバコなのだろうか。吸わない人間にとっては、この説明を見るとますますタバコの定義がわからなくなってくる。
混乱しているのは私のような人間ばかりではない。無煙タバコは煙も匂いも出ないわけだが、日本航空では機内で吸ってもOKな一方、全日空は認めないという。また、京都市でも「禁煙地区」なるものが広がっているけれど、区内全域の路上喫煙を禁じている東京都千代田区は、
「当面は禁止の対象外。たばこの火で他人に危害を加える恐れもない」(千代田区安全生活課)
とのことだ(「毎日新聞」5月17日21時13分配信の記事より)
しかしながら個人的に一番の疑問は、なぜJTがこのような中途半端な(煙が出ないだけで、体に害がある)商品を世に出したかという点だ。
誰もが実感でわかると思うが、国内におけるタバコの売り上げは減少の一途をたどっている。日本たばこ協会の発表によれば2009年度の反対数量は2339億本、ピークだった1996年度(3483億本)から実に3割も減っているのである。
これもわかりやすい話だが、タバコ本体の度重なる値上げ、会社や施設内の禁煙区域の拡大、自動販売機における「タスポ」のわずらわしい年齢確認の導入など、非喫煙者からみても「これはあんまりでは?」と感じる政策が続いてきた。これでタバコの売り上げが伸びるなら奇跡である。
だが国は喫煙者を減らす方向で動いている一方、JTも売り上げをなんとか確保しようと考えているのだろう。その苦肉の策が今回の無煙タバコだったのではないだろうか。いずれにせよ、いかにもちぐはぐな国の方針が透けてみえる商品である。
コメント