たとえば、あなたがある会社のセールスマンだったとしよう。あなたは会社にある商品を売るよう命じられる。しかしその商品が例えばポケットベルだったとしたら。またはレーザー・ディスクだったら、またはカセットのウォークマンだったとしたら、あなたはそれを売る自信があるだろうか。

ポケットベルは携帯電話に、レーザー・ディスクはDVDに、ウォークマンはMP3プレイヤーに変化している。これは時代の趨勢だ。そして、個人の能力に左右されるような次元の話ではない。しかし、この辺りを取り違えている人たちはこの世の中に少なくないと思う。

一方、能力によって左右されることもあるだろう。例えば100mを10秒台で走ることは、多くの人には困難だろう。ましてや、足の遅い人がそんな無茶な目標を立てて努力をしても、人並み以下の結果しか出せないことが大半だ。しかし、それでも途方もなく無駄な時間と労力を費やし、その結果に絶望して挫折する人は後を絶たない。

極端な例を出したかもしれないが、これに近いようなことをしている人は身の回りに案外多いと思う。自分の能力ではどうにもならないこと、また自分の能力では不得手なこと、そうしたことを見極める力が、ある程度の年齢になったら必要な気がする。いわゆるリテラシー(目利き)というのはそういう能力のことなのだろう。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索