サラリーマンが抱える構造的欠陥
2011年6月22日 お仕事私が会社を辞めると表明してから、社内の人は一様に「なぜそんなことをしたんだ?」と信じられないという顔をした。「あいつ、アホやな」と言った輩もいたらしい。それはともかく、彼らにとって会社を去るという発想は根本的に無いのだろう。
サラリーマンという立場からすれば、所属している組織を離れるというのは非常に恐ろしい行為である。私もこないだまで会社員だったからそれは肌身で感じている。
ではなぜ、サラリーマンは会社にしがみつかざるをえなくなるのか。それについては、岡野雅行(岡野工業代表社員)さんが「学校の勉強だけではメシは食えない!」(07年。こう書房)で説明してくれる。岡野さんは、大企業で働いている技術屋さんが技能オリンピックで金メダルを取ったことを例に挙げて、こう述べている。
<大手っていうのは、そうやって特化した専門的なことばっかりをやらせる。お前は研磨専門、お前は型専門、お前はマシン専門、お前はワイヤー専門。そうやって1行程ずつを専門の職人に作らさせて、最後にひとつの製品を組み立てるわけだ。だけど、ためしに1から9まで全部の工程を一人にやらせてみな。たちまちひとり立ちできる技術が身について、どんどん独立していっちゃうよ。>(P.128)
これを逆に考えてみれば、一つのことしかできない人には独立など絶対にできないのである。いわゆる「専門バカ」という状態だろう。また企業もそのようなサラリーマンばかりを生産してきたことも付け加えておきたい。
ただ組織の歯車とはいえ、技能オリンピックで金メダルを取れるほどの職人になってしまえば会社にずっとしがみつける可能性は高いだろう(会社が無くなってしまえば全てが終わりであるが)。
一番悪いのは、技術も知識も何も持っていないで、歯車としての最低限の仕事しかできない人だ。こういう輩はもう会社にしがみつくことが自己目的化しているし、もはや社外では使い物にはならない。
別に私はサラリーマンの生き方を否定したいわけではない。終身雇用や年功序列が崩壊している状況で必ずしもそうした立場が安泰ではないということを指摘したいだけだ。
ただ、自分の働いている職場が営業だろうと経理だろうと、その領域以上のことを学んだら良くないということはないだろう。これは仕事に直結しないかもしれないが、これからの人生を豊かにしてくれるはずだ。学校を出てからも私たちが学ぶ理由がこの辺にある。
先の私をアホ呼ばわりした人は、これまで職を転々として今の職場に辿り着いた。もはや50歳も過ぎているし会社にしがみつくことしか頭にないのだろう。だから私に対してそのような誹謗中傷をしたわけだ。それはそれで結構だが、こうした人であっても、様々な知識や教養を獲得することにより人間性を磨くことのできる可能性だけはまだ残されているとは思う。
サラリーマンという立場からすれば、所属している組織を離れるというのは非常に恐ろしい行為である。私もこないだまで会社員だったからそれは肌身で感じている。
ではなぜ、サラリーマンは会社にしがみつかざるをえなくなるのか。それについては、岡野雅行(岡野工業代表社員)さんが「学校の勉強だけではメシは食えない!」(07年。こう書房)で説明してくれる。岡野さんは、大企業で働いている技術屋さんが技能オリンピックで金メダルを取ったことを例に挙げて、こう述べている。
<大手っていうのは、そうやって特化した専門的なことばっかりをやらせる。お前は研磨専門、お前は型専門、お前はマシン専門、お前はワイヤー専門。そうやって1行程ずつを専門の職人に作らさせて、最後にひとつの製品を組み立てるわけだ。だけど、ためしに1から9まで全部の工程を一人にやらせてみな。たちまちひとり立ちできる技術が身について、どんどん独立していっちゃうよ。>(P.128)
これを逆に考えてみれば、一つのことしかできない人には独立など絶対にできないのである。いわゆる「専門バカ」という状態だろう。また企業もそのようなサラリーマンばかりを生産してきたことも付け加えておきたい。
ただ組織の歯車とはいえ、技能オリンピックで金メダルを取れるほどの職人になってしまえば会社にずっとしがみつける可能性は高いだろう(会社が無くなってしまえば全てが終わりであるが)。
一番悪いのは、技術も知識も何も持っていないで、歯車としての最低限の仕事しかできない人だ。こういう輩はもう会社にしがみつくことが自己目的化しているし、もはや社外では使い物にはならない。
別に私はサラリーマンの生き方を否定したいわけではない。終身雇用や年功序列が崩壊している状況で必ずしもそうした立場が安泰ではないということを指摘したいだけだ。
ただ、自分の働いている職場が営業だろうと経理だろうと、その領域以上のことを学んだら良くないということはないだろう。これは仕事に直結しないかもしれないが、これからの人生を豊かにしてくれるはずだ。学校を出てからも私たちが学ぶ理由がこの辺にある。
先の私をアホ呼ばわりした人は、これまで職を転々として今の職場に辿り着いた。もはや50歳も過ぎているし会社にしがみつくことしか頭にないのだろう。だから私に対してそのような誹謗中傷をしたわけだ。それはそれで結構だが、こうした人であっても、様々な知識や教養を獲得することにより人間性を磨くことのできる可能性だけはまだ残されているとは思う。
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