9月10日におこなわれた鉢呂吉雄氏(前・経済産業省大臣)の辞任会見について、本筋と違ったところで新たな話題が出てきている。その会見の場で鉢呂氏にかなり汚い口調で質問してきた記者がいたことだ。

全ては、

http://news.livedoor.com/article/detail/5852748/

で観ることができるけれど、肝心のやり取りを以下の通り抜粋する。

所属、氏名不明「具体的にどう仰ったんですか?あなたね、国務大臣をお辞めになられる、その理由ぐらいきちんと説明しなさい」

鉢呂「私も非公式の記者の皆さんとの懇談ということでございまして、その一つひとつに定かな記憶がありませんので」

所属、氏名不明「定かな記憶がないのに辞めるんですか。定かな事だから辞めるんでしょう。きちんと説明ぐらいしなさい、最後ぐらい」

鉢呂「私は国民の皆さん、福島県の皆さんに不信の念を抱かせたこういうふうに考えて…」

所属、氏名不明「何を言って不振を抱かせたか説明しろって言ってんだよ」

この態度があまりに酷い記者に向かって、

「そんなやくざ言葉やめなさいよ。記者でしょう。品位を持って質問してくださいよ」

「恥ずかしいよ、君はどこの記者だ!」

と返したのが、フリージャーナリストの田中龍作さんである。一連のやり取りやその後の経緯は田中さんのブログにも掲載されている。

「鉢呂経産相辞任 記者クラブに言葉狩りされて」
http://tanakaryusaku.jp/2011/09/0002887

「枝野・新経産相会見 大臣官房に逃げ込んだ暴言記者」
http://tanakaryusaku.jp/2011/09/0002912

いまのところこのヤクザ風記者の所属は明らかになっていない。

世間の人はこのニュースにかなり怒りを覚えるかもしれないが、新聞業界の片隅にいた人間としてはそれほど異様には感じない。若い人たちは若い人たちでダメだが、年配の新聞社員は本当に酷い。たとえガラが悪い人でなくても、挨拶や電話も常識的な対応ができていない(自分の名前を名乗らない、とか)。また、無根拠に高い給料をもらっているので変にプライドが高いのも困ったものだ。はっきりいって、昼の光にあてられない(表に出せない)人ばかりである。

そもそも、「新聞屋」(こういった方が雰囲気が出るだろう)というのは昔はガラのいい商売ではなかった。それがいつのころから「ジャーナリズム」とか「マスメディア」といった横文字に変わったり、業績が上がって高級取りの職種になったこともあって印象が良くなったという話である。今は何も良いところがないが。

先の態度の悪い記者というのも、かつての新聞業界が生み出した20世紀の遺物である。記者クラブや会社の後ろ盾があるから偉そうにできるだけに過ぎない、ということを彼らはどれほど自覚しているのだろうか。

ちょっと個人的なことを言わせてもらうが、この時代に新聞社で働いていたという経験は世間では全く評価されない。もしリストラをされるような事態に陥ったら、自分で稼げる手段を持っていないければ、どこにも勤めることができず路頭に迷うのは確実である。

もっとも、自分には何もないことを自覚しているからこそ多くの人は傾いている会社であっても必死でしがみつこうとしているのだろう。ただ、会社があなたを定年まで雇ってくれるという保証は一切ない。最悪の事態など考えたくない気持ちはわからなくもないが、自分の人生がかかってるのだからその程度は頭を使ってほしいと願う。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索