BONNIE PINK京都公演「BONNIE PINK Acoustic Live Tour 2011 ”@thebackroom”」(2011年10月28日、磔磔)
2011年10月28日 BONNIE PINKBONNIE PINKが秋にアコースティックのツアーをおこなう。ファンクラブ会員のBさんからメールが送られてきたのは6月29日のことだった。そこには京都公演も含まれており、会場はなんと磔磔であった。ここはオール・スタンディングでも300人しか入らない小さな会場だ。当時の私は会社を辞めてまだ働ける状態ではなかったけれど、あまり考えずに「1枚確保しておいてください」と頼んでしまう。
7月16日にBさんから再び連絡がくる。Bさんは京都公演の2日間のうち一方はなんと外れてしまったのとのこと。彼女のライブで完売が出るということは久しくなかったので、今回のライブはプレミアムライブになるのか、と少なからぬショックを受ける。ともかくもう私の分の席は確保できたことは嬉しかった。こういうツテがなければオークションはお世話になるしかなかっただろう。しかも整理番号は「10番」である。私はつくづく幸運だった。
そして当日の午後6時20分ごろ、会場10分前くらいに会場に着いてすぐBさん、そしてBONNIEファン歴がBさんと同じくらいのMさんと合流する。Bさんは既に香川県の高松で既にライブを観ていたが、
「別に悪くはないんだけど・・・」
と微妙なことを口にしていた。今回もライブは「相変わらず」の調子なのだろうか。私も入場する前までは期待値ほぼゼロという状態ではあった。
しかしながら、いざ磔磔の中に入ると気分が一変する。ただでさえ小さな会場に椅子がズラッと敷き詰められているではないか。席数を正確に数えていないけれど、どう見ても120席くらいしかない。私が予想するよりも遥かに今夜はプレミアムなライブとなりそうだ。
しかも10番という整理番号だったため前から2列目のど真ん中に座ることができた。磔磔はステージが低いのが特徴だ。そのおかげでミュージシャンとの距離が以上に近い。またスタンディングではステージ前に柵がこしらえているのが常であるものの、それも今日は設置されてず視野もすっきりと開けている。BONNIEとは1.5mくらいの近さである。ここまで接近できたのはそれこそ02年11月4日に徳島大学でおこなわれた学園祭ライブ以来だ。なんか自分らしくなくテンションがやたらと高くなってきた。そうした心境の中でも開演である。
BONNIEの格好はロングのワンピースであった。至近距離で見る彼女は目が潤んでいて、奇麗だなあ、としばらく見とれていた。私より3歳年上だから38歳とそこそこの年齢なのだが実に可愛らしいというしかない。あわよくば今夜の衣装が薄着で肌の露出が多いものだったらもっと良かったのだが。なんだか完全にミーハーとなっているけれど、今日は特別なことが起こるかもしれない、という不思議な予感が私の頭をよぎる。
1曲目は”Ring A Bell”、そして2曲目は”A Perfect Sky”と先日に出た「Back Room」(11年)から立て続けに歌われる。こういう流れはかつてのツアーと変わりはないが、なんだか今夜の彼女は自分を引き込んでしまうような力を出していた。驚いたのが3曲目で、髪が赤かった頃の「evil and flowers」(98年)から”Hickey Hickey”が飛び出したことである。この曲は初めて聴くことができたのでテンションがさらに一段と上がってしまった。
続くも大好きな曲の一つである”So Wonderful”で、これもなんだかんだいって何年も聴いてなかった気がする(シングルで発売されたのは05年)。去年の「Dear Diary Tour」ではその前に出したアルバム「ONE」(09年)の曲を一切しなかったような人だから、過去の曲はどんどん貴重な存在になっていく一方である。
実際、今回も「Back Room」に収録されている10曲を全て演奏してしまうという具体だった。それだけを見れば「相変わらず」のライブといって良いはずだ。しかし、なぜか今日のライブは近年にないほど素晴らしく感じられたのである。アンコール最後の”Look Me In The Eyes”まで終始ステージを見とれているうちにあっという間の2時間、全16曲であった。とにかく良かった。
しかしなが、ら良かった良かったを言うだけでは感想にならない。いつもは不平不満をぶつぶつと言っていたくせに、いざこうしたライブに接するとそういう言葉しか出てこないから厄介だ(観てる側の人間って勝手なもんですねえ)。しかしそれではあんまりだし、行きたくてもチケットを取るこのできなかった方が読んでいるかもしれないので、良かったと思われる要因を列挙してみる。
・BONNIEではなく単に聴き手である私のテンションが高かっただけ
確かにテンションは高めだったが、横で観ていたMさんも、ここ数年(いつ以来?)ではかなりの出来、と珍しく褒めていたのでこれが理由でもないだろう。ちなみMさんはこの日のライブでBONNIEのライブ参加は100回目!それがこの内容だったのは良かったですねえ。
・音響が良かった
これはMさんの指摘である。といっても磔磔が別に音響の良い会場とかいうのではなく(もともと酒蔵だった建物なので根本的にライブハウスには向いていないだろう)、エンジニアの技術についてを言っている。BONNIEのライブでの音の悪さについては厳しい意見をよく耳にしたが、今回はその辺りが解決されていたようである(私はこの辺りが鈍感なのでよくわからない)。エンジニアが変わったのではとMさんは推測していた。
・バンドの編成が良かった
今回は「Back Room」に参加した鈴木正人(ベース、キーボードなど)、八ツ橋義幸(ギター)、坂田学(ドラムス)との4人編成だった。アコースティックとは言っていたけれど、エレキ・ギターもエレキ・ベースも活躍していたし、オープン・リールで多重コーラスを加えるという場面(”Paradiddle-free”の時)があったりという感じである。それはともかく、今回のバンドも通常より締まっているというか彼女との絡みも良かった気がする。
・会場の雰囲気
通常よりこじんまりとした会場だったので、アットホームというほどでもないけれど、お客は静かに観ているという感じでライブは進んでいった。去年のツアーではやたら「めっちゃかわいい!」とか終始叫んでいるイタい女性がいたけれど、今夜はそうした存在も皆無であった。そのあたりもよい方向に作用したかもしれない。
色々あげてみたけれど、これがライブの良かった一番の要因だと確信できるものは私の中では出てこない。BONNIE自身の調子がどうかというのも大事な話だろうが、アルバム全編をするところを彼女の根本が変わったとは思えない。だから、今回はたまたま良かったけれど次回のライブはまた逆戻り、ということも大いにあり得る。というかその時までに気持ちの切り替えはしておいたほうが良い。しかし個人的な問題があり本日をもってライブはしばらく行けないであろう自分にこうしたライブを見せてくれた彼女には感謝するほかない。
今度はもういつ会えるか、それはよくわからない。そんな想いをこめて最後の最後はスタンディング・オベーションを送った。しかし立ち上がっていたのは私一人だけである。なんだかイタい客になってしまったな。下に演奏曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)Ring A Bell
(2)A Perfect Sky
(3)Hickey Hickey
(4)So Wonderful
(5)Paradiddle-free
(6)Last Kiss
(7)Present
(8)Burning Inside
(9)Grow
(10)日々草
(11)金魚
(12)The Sun Will Rise Again
(13)Heaven’s Kitchen
(14)Fish
(15)Tonight, the Night
(16)do you crash?
(アンコール)
(17)流れ星
(18)Look Me In The Eyes
7月16日にBさんから再び連絡がくる。Bさんは京都公演の2日間のうち一方はなんと外れてしまったのとのこと。彼女のライブで完売が出るということは久しくなかったので、今回のライブはプレミアムライブになるのか、と少なからぬショックを受ける。ともかくもう私の分の席は確保できたことは嬉しかった。こういうツテがなければオークションはお世話になるしかなかっただろう。しかも整理番号は「10番」である。私はつくづく幸運だった。
そして当日の午後6時20分ごろ、会場10分前くらいに会場に着いてすぐBさん、そしてBONNIEファン歴がBさんと同じくらいのMさんと合流する。Bさんは既に香川県の高松で既にライブを観ていたが、
「別に悪くはないんだけど・・・」
と微妙なことを口にしていた。今回もライブは「相変わらず」の調子なのだろうか。私も入場する前までは期待値ほぼゼロという状態ではあった。
しかしながら、いざ磔磔の中に入ると気分が一変する。ただでさえ小さな会場に椅子がズラッと敷き詰められているではないか。席数を正確に数えていないけれど、どう見ても120席くらいしかない。私が予想するよりも遥かに今夜はプレミアムなライブとなりそうだ。
しかも10番という整理番号だったため前から2列目のど真ん中に座ることができた。磔磔はステージが低いのが特徴だ。そのおかげでミュージシャンとの距離が以上に近い。またスタンディングではステージ前に柵がこしらえているのが常であるものの、それも今日は設置されてず視野もすっきりと開けている。BONNIEとは1.5mくらいの近さである。ここまで接近できたのはそれこそ02年11月4日に徳島大学でおこなわれた学園祭ライブ以来だ。なんか自分らしくなくテンションがやたらと高くなってきた。そうした心境の中でも開演である。
BONNIEの格好はロングのワンピースであった。至近距離で見る彼女は目が潤んでいて、奇麗だなあ、としばらく見とれていた。私より3歳年上だから38歳とそこそこの年齢なのだが実に可愛らしいというしかない。あわよくば今夜の衣装が薄着で肌の露出が多いものだったらもっと良かったのだが。なんだか完全にミーハーとなっているけれど、今日は特別なことが起こるかもしれない、という不思議な予感が私の頭をよぎる。
1曲目は”Ring A Bell”、そして2曲目は”A Perfect Sky”と先日に出た「Back Room」(11年)から立て続けに歌われる。こういう流れはかつてのツアーと変わりはないが、なんだか今夜の彼女は自分を引き込んでしまうような力を出していた。驚いたのが3曲目で、髪が赤かった頃の「evil and flowers」(98年)から”Hickey Hickey”が飛び出したことである。この曲は初めて聴くことができたのでテンションがさらに一段と上がってしまった。
続くも大好きな曲の一つである”So Wonderful”で、これもなんだかんだいって何年も聴いてなかった気がする(シングルで発売されたのは05年)。去年の「Dear Diary Tour」ではその前に出したアルバム「ONE」(09年)の曲を一切しなかったような人だから、過去の曲はどんどん貴重な存在になっていく一方である。
実際、今回も「Back Room」に収録されている10曲を全て演奏してしまうという具体だった。それだけを見れば「相変わらず」のライブといって良いはずだ。しかし、なぜか今日のライブは近年にないほど素晴らしく感じられたのである。アンコール最後の”Look Me In The Eyes”まで終始ステージを見とれているうちにあっという間の2時間、全16曲であった。とにかく良かった。
しかしなが、ら良かった良かったを言うだけでは感想にならない。いつもは不平不満をぶつぶつと言っていたくせに、いざこうしたライブに接するとそういう言葉しか出てこないから厄介だ(観てる側の人間って勝手なもんですねえ)。しかしそれではあんまりだし、行きたくてもチケットを取るこのできなかった方が読んでいるかもしれないので、良かったと思われる要因を列挙してみる。
・BONNIEではなく単に聴き手である私のテンションが高かっただけ
確かにテンションは高めだったが、横で観ていたMさんも、ここ数年(いつ以来?)ではかなりの出来、と珍しく褒めていたのでこれが理由でもないだろう。ちなみMさんはこの日のライブでBONNIEのライブ参加は100回目!それがこの内容だったのは良かったですねえ。
・音響が良かった
これはMさんの指摘である。といっても磔磔が別に音響の良い会場とかいうのではなく(もともと酒蔵だった建物なので根本的にライブハウスには向いていないだろう)、エンジニアの技術についてを言っている。BONNIEのライブでの音の悪さについては厳しい意見をよく耳にしたが、今回はその辺りが解決されていたようである(私はこの辺りが鈍感なのでよくわからない)。エンジニアが変わったのではとMさんは推測していた。
・バンドの編成が良かった
今回は「Back Room」に参加した鈴木正人(ベース、キーボードなど)、八ツ橋義幸(ギター)、坂田学(ドラムス)との4人編成だった。アコースティックとは言っていたけれど、エレキ・ギターもエレキ・ベースも活躍していたし、オープン・リールで多重コーラスを加えるという場面(”Paradiddle-free”の時)があったりという感じである。それはともかく、今回のバンドも通常より締まっているというか彼女との絡みも良かった気がする。
・会場の雰囲気
通常よりこじんまりとした会場だったので、アットホームというほどでもないけれど、お客は静かに観ているという感じでライブは進んでいった。去年のツアーではやたら「めっちゃかわいい!」とか終始叫んでいるイタい女性がいたけれど、今夜はそうした存在も皆無であった。そのあたりもよい方向に作用したかもしれない。
色々あげてみたけれど、これがライブの良かった一番の要因だと確信できるものは私の中では出てこない。BONNIE自身の調子がどうかというのも大事な話だろうが、アルバム全編をするところを彼女の根本が変わったとは思えない。だから、今回はたまたま良かったけれど次回のライブはまた逆戻り、ということも大いにあり得る。というかその時までに気持ちの切り替えはしておいたほうが良い。しかし個人的な問題があり本日をもってライブはしばらく行けないであろう自分にこうしたライブを見せてくれた彼女には感謝するほかない。
今度はもういつ会えるか、それはよくわからない。そんな想いをこめて最後の最後はスタンディング・オベーションを送った。しかし立ち上がっていたのは私一人だけである。なんだかイタい客になってしまったな。下に演奏曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)Ring A Bell
(2)A Perfect Sky
(3)Hickey Hickey
(4)So Wonderful
(5)Paradiddle-free
(6)Last Kiss
(7)Present
(8)Burning Inside
(9)Grow
(10)日々草
(11)金魚
(12)The Sun Will Rise Again
(13)Heaven’s Kitchen
(14)Fish
(15)Tonight, the Night
(16)do you crash?
(アンコール)
(17)流れ星
(18)Look Me In The Eyes
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