UB40の破産

2011年11月8日
UB40の破産
ニュースが出てから少し経っているけれど、あまりご存知ない方もいるであろう話なので紹介してみたい。ニュース元は音楽配信サイト「リッスン・ジャパン」2011年10月25日のニュースで、

http://listen.jp/store/musicnews_35703_all.htm

<「好きにならずにいられない」のヒットで知られるUB40 5人のメンバーが相次いで破産宣告>

というものだ。本文の一部を引用する。

<「レッド・レッド・ワイン」や「好きにならずにいられない」の世界的ヒットで知られるイギリスのポップ・レゲエ・バンドUB40の元リードシンガー、アリ・キャンベルが破産していることが明らかとなった。数日前にバンドの4人のメンバーも地元バーミンガム地方裁判所で破産宣告をされたばかり。

UB40は2008年に、彼らのレコード会社兼、マネージメント事務所「DEP International」の経営悪化を機に、メンバー間の対立が発覚。フロントマンのアリ・キャンベルはその事などを理由に脱退していた。>

このバンドについて何も知識の無い方は、人気バンドが金を使い過ぎたあげくに破産しただけのニュースだろ、という程度にしか思えないだろう。だが、彼らのルーツを知っている人は複雑な想いに駆られたに違いない。

このUB40(ユービーフォーティー)というバンド名は、イギリスにおける失業者給付金の申請書様式(Unemployment Benefit, Form 40=失業給付40号様式)から取られている。彼らのデビュー・アルバム「サイニング・オフ」(80年)のジャケットはこの申請書を模したデザインだ。こうした点を見ていくと、メンバー自身あまり恵まれない環境から出てきたことがうかがえる。

そうした出自の彼らも「サイニング・オフ」が全英2位になるなど人気がどんどん上がっていくにつれその暮らしぶりも劇的に変わっていく。ニュースからまた引用する。

<先日、4人の破産宣告のニュースを受け「80年代に5つ星ホテルに済み、贅沢三昧だった」と明かし脱退前から警告し続けていたとメディアに語っていたアリ・キャンベルだが、その数日後に自身も破産宣告を受けることとなった。>

端から見れば、愚かだなあ、と簡単にいえるかもしれない。しかし先日紹介した有吉弘行氏の「「お前なんかもう死んでいる ~プロ一発屋に学ぶ50の法則~」(10年。双葉社)」に書いているように、金が入れば入るほどその分使ってしまうのは多くの人が辿る道である。

別に私は彼らの是非について何か言いたいわけではない。ただ破産したことにより、彼らは70年代の頃に逆戻りしてしまったのだろうか。そんなことを思った次第である。

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