アレクサンドロス王子の言葉「でも・・・それでも きっと楽しい・・・」
アレクサンドロス王子の言葉「でも・・・それでも きっと楽しい・・・」
今日は午前6時半に目を覚まし、起き上がったらすぐ台所に向かう。昼に食べるお弁当を作るためだ。こうやって自分で昼食を準備するのは生まれて初めてのことである。

まもなく36歳になる自分がなぜお弁当を作ったのか。多くの方はすぐ食費の節約と思うだろう。しかし一人暮らしで自炊をしたところで、そんなにお金が浮くわけではないというのが自分の実感だ。余計に食材を買って無駄にしてしまうことも少なくない。

それよりも個人的には、時間の効率化ということに期待をしている。これまでは冷蔵庫の中をほとんど空にしていたため、何か食べたくなったらいちいち外に出るのが常だった。これが1日に2度も3度も続くのは相当に無駄な行為である。また、いまの勤務地に行く途中にコンビニに立ち寄るのも面倒に感じていた。朝の弱い方なら同感できると思うけれど、仕事に行く前はなるべくゆっくりしていたいものだ。そんなこともあり、また新しい勤務地に就いてそれほど忙しくない状態になれたこともあり、じゃあお弁当でも作ってみようかと思い立ったのである。

そしてできたのが写真のものだ。ご飯は「ドライカレーの素」でドライカレーにし、あとはタレ漬け牛肉を焼いた。私が直接作ったのはこれだけである。あとはトマトでも添えて終わろうかと思ったけれどそれだけではタッパ(ローソン100で購入)がスカスカだ。そこで近所のフレスコに行ってポテトサラダを買おうとしたら、アボカドが安く売っていたので(87円)付け加えてみた。アボカドを弁当に入れるってあまり聞いたことがない。我ながらけっこう斬新かも、と思ってしまった。盛りつけとか細かい部分は色々あるけれど、色合いなどは初めてにしてはまあうまくいったかなと自分では評価している。

お弁当を用意すると決めた時、飲み物もどうにかしないとな、と思いAmazonで水筒を買った。それが画像である。冷たいのも熱いのも入れられるものでそこそこ量のある(500ml以上)のものがないかな、と調べたら象印のこの水筒が良さそうだったので注文する。かかった値段は送料など含めて1609円である。実際に麦茶と氷を入れて使ってみたら、朝入れたものが夕方まで氷が残るくらいしっかりと冷たく飲める。なかなか良い具合だ。

ただ、お弁当を勤務地に持って昼にいざ食べようとなった時に、お箸を準備するのを忘れていたという失敗はあった。新しい試みをするとこういう手落ちは必ず出てくるものだ。

とりあえず明日のお弁当の準備をしたけれど、もともと要領の良い人間でもない自分がいつまでこれを続けられるのかわからない。しかし部屋で食事を作ってしまえば時間がかなり工面できることが1日だけでも実感することができた。

少し前までは、お弁当を作ろうなどは絶対に思わなかった。そんな余裕がなかったのだから。お金や将来の心配もいろいろあるけれど気持ちの面ではかなり改善されたということだろう。日々の生活を送るのが少し楽しくなってきたような気がする。

先日、私が唯一リアルタイムで読んでいるマンガ「ヒストリエ」(作・岩明均。講談社)が「第16回手塚治虫文化賞」において大賞を受賞した。最新刊の7巻をペラペラめくっていたら、若き日のアレクサンドロス王子(アレクサンドロス3世)が語る台詞が印象に残った。

この作品で未成年の頃のアレクサンドロスは心優しいながらも非常に弱々しいイメージで描かれている。本人もそれを自覚しており、自分はとうてい父親の後を継げられる人間ではないと悩んでもいる。そんな彼が王族の幹部候補生が帝王教育を受ける「ミエザの学校」で学友のベウケスタスと一緒に馬に乗りながらこんなことを話す。マンガの内容を具体的に記述するのも気がひけるので概要だけを紹介する。

自分は到底父親を継げる器ではない。しかし、だからといって努力を放棄するのはただの「逃げ」だ。しかしこの学校で同年代の仲間と一緒に学んでいけばこんな自分にも何か「答え」が見つかるかもしれない。そんな気がする、と。

そしてベウケスタスに、辛く悲しい出来事も色々あるだろう、と言った後でなんともいえない表情をしながらこうつぶやく。

「でも・・・それでも きっと楽しい・・・」(P.120)

アレクサンドロス王子はこれからの波瀾万丈の人生を予測しながらも、なんとか肯定的でありたいと願いこのようなことを話したのだろうか。そのあたりは想像するほかないけれど、今の自分の心境に重なる部分があるのかなあ、と勝手に思ってしまった。

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