Yahooのニュースで気持ちが暗くなる内容を見つけた。朝日新聞デジタル 10月20日(土)17時49分配信の
「大和ハウス工業、「65歳定年制」導入へ 来年4月」
というものである。
来年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法では65歳までの雇用確保が義務となる。同社のこの制度はそれを受けてのものである。
記事には、
<社員にとっては正社員のまま会社に残れ、現行の再雇用制より給与水準が高くなる利点がある。>
と書いてある。確かに嘱託社員として再び雇用されるより、引き続き正社員として残った方が待遇が良いに決まっている。
このような制度を国が推し進めているのは、年金受給年齢が引き上げられたことへの対策にほかならない。60歳で仕事がなくなってから年金がもらえる年齢までの空白期間をどうするか。その埋め合わせを民間企業に押しつけた格好である。
しかし、定年を延長して仕事をさせるということは、企業から新たな雇用を生み出す機会が無くなることを同時に意味する。当事者からしてみれば、
「いままでだったら年金が60歳でもらえたのが年齢を引き上げられた、その対策を国がしたまでだろう」
と当然のように考えるに違いない。しかしもっと下の世代は働く機会そのものが少ないし、今回の制度でその機会がますます減っていくだろう。さらに、たとえ幸運に65歳まで働いたとしても果たしてその時の年金がもらえるかどうかも怪しい。
そんなことを考えると、定年延長制度は一部の世代の既得権を強化しただけに過ぎないのではないだろうか。少なくとも日本の将来にとって有益になる制度ではない。
大和ハウスは「11年度の退職者165人の7割、118人が再雇用された」という。この118人がいなかったら、それだけ若い人たちが雇われたのでは・・・などと想像してしまう。企業にとっても国の尻拭いをさせられ、必ずしも必要でない社員まで抱えてしまうのだから何のメリットも無いのではないだろうか。そう思うとこの制度はやはり悪夢としか考えられなくなってくる。
「大和ハウス工業、「65歳定年制」導入へ 来年4月」
というものである。
来年4月に施行される改正高年齢者雇用安定法では65歳までの雇用確保が義務となる。同社のこの制度はそれを受けてのものである。
記事には、
<社員にとっては正社員のまま会社に残れ、現行の再雇用制より給与水準が高くなる利点がある。>
と書いてある。確かに嘱託社員として再び雇用されるより、引き続き正社員として残った方が待遇が良いに決まっている。
このような制度を国が推し進めているのは、年金受給年齢が引き上げられたことへの対策にほかならない。60歳で仕事がなくなってから年金がもらえる年齢までの空白期間をどうするか。その埋め合わせを民間企業に押しつけた格好である。
しかし、定年を延長して仕事をさせるということは、企業から新たな雇用を生み出す機会が無くなることを同時に意味する。当事者からしてみれば、
「いままでだったら年金が60歳でもらえたのが年齢を引き上げられた、その対策を国がしたまでだろう」
と当然のように考えるに違いない。しかしもっと下の世代は働く機会そのものが少ないし、今回の制度でその機会がますます減っていくだろう。さらに、たとえ幸運に65歳まで働いたとしても果たしてその時の年金がもらえるかどうかも怪しい。
そんなことを考えると、定年延長制度は一部の世代の既得権を強化しただけに過ぎないのではないだろうか。少なくとも日本の将来にとって有益になる制度ではない。
大和ハウスは「11年度の退職者165人の7割、118人が再雇用された」という。この118人がいなかったら、それだけ若い人たちが雇われたのでは・・・などと想像してしまう。企業にとっても国の尻拭いをさせられ、必ずしも必要でない社員まで抱えてしまうのだから何のメリットも無いのではないだろうか。そう思うとこの制度はやはり悪夢としか考えられなくなってくる。
コメント