新しい勤務先は自転車で通える範囲の距離にある。部屋からの所要時間は30分ほどで先月までの職場と大差はない。この点は交通費の出ない派遣社員の身としては本当に有り難い話だ。
余談だが、今回お世話になっているところとは別の派遣会社から仕事を斡旋された時の話である。条件の時給がちょっとシブい数字だったので、
「あのー、ここって交通費は出ませんよね?」
と電話口の女性に訊ねると、
「そうですねー。交通費は”込み”となってますねー」
と返ってきたのでけっこう面食らった。
「いやいやいや・・・”込み”じゃないでしょう?支給されないだけでしょーが」
と言いたかったけれど、なんとか胸の内に収めた。いや、本当のところは呆れて言葉が出なかったのだが。
この派遣会社は定期的に電話がかかってくるので、仕事が決まらなくて「もう終わりか?」という時には世話になろうかと直前まで考えたことが何度もあった。しかしそういう時に限って別のところから仕事が見つかり、結局は縁が無いまま現在に至っている。今回の件が決まってからも数日後に留守番電話が入っていたけれど、出る理由もないのでメッセージの確認も返事もしなかった。すいませんねえ。でも、数ヶ月後にまたかかってくるだろう。
以前の職場は山のすそのような辺鄙な場所だったのに対して、今回はかなり街の中心部へと移った。主要なコンビニ店、マクドナルほかファースト・フードの店舗などが近くにズラッと並んでいる。そんなに詳しい地域でもないので、仕事の帰り道は自転車で景色を確認している。その中で「オッ」と思うものがあった。
それが「ねこカフェ」だった。場所は、行きつけの某立ち飲みの店をずっと南下したところにある。職場とも同じ通りに面していた。たしか出勤1日目の時に見つけたと思う。
店の前に置いてある看板を見ると、1ドリンクがついて1時間1000円、とのことである。カフェに長々といる習慣がない人間なのでこういう店に入る気持ちはあまり起きなかったが、金曜日が終わったということで気持ちも少し疲れていたんだろうか。
「ちょっとネコにでも癒されてみようかな」
と、フラフラと店の扉を開けて中に入ってしまった。店員の女性が出てきて、
「こんな寒い日にありがとうございます」
と言って、まず靴を脱ぐようにお願いされる。カフェといっても、普通の喫茶店の形とは全く違っていた。画像に載せてある通り、じゅうたんの敷かれたスペースに机やソファが置かれている。普通の居間のような感じであった。テレビも置いてある。私以外に先客が3人いた。そして、部屋のいたるところにネコが陣取っている。椅子の上で寝ていたり、ファンヒーターの前で暖をとっていたり、天井のほうの高い場所にいたりしている。合計で7〜8匹はいた。
ドリンクのアップルティーを注文して、窓ぎわの机に座ると、黒くてまだら模様の(あまり可愛くない)ネコが一匹寄ってきた。顔をなでてみたら、いきなり指を軽くかまれてしまう。ぐわあ。
しばらくすると店員がアップルティーをお盆に入れて持って来てくれた。その中にミルクがあったのだが、小さなタッパーに厳重に管理されていて、
「ちゅうい!猫がねらいます」
と但し書きがされている。ここは油断してお茶を飲むことのできない場所のようだ。
しばらくはノートで仕事の手順などを写していたが、やはりネコのことが気になってくる。しかしもっぱら犬しか接したことのない身としては、この動物がどういう行動パターンをとるのかさっぱり理解できない。だっこしてみようとしても、抱かれるのが嫌いなのか「ニャー」と言ってスルッと腕の中から逃げてしまう。
もう一つよくわからなかったのが、写真の三毛猫のしぐさだった。だっこするのもイヤだろうと思い指で顔をなでていたら、自分の頭を私の手にこすりつけてくるのだ。これは友愛のポーズなのだろうか。それとも、単に頭がかゆかっただけなのだろうか。
横を見れば、床であぐらをかいて座っていた男性のところに白猫が寄ってきて、男性の上に乗っかってそのまま眠りに入っているではないか。そういえば、私のあるところの猫にこんなことをされた記憶がある。そんなこんなでネコのことをちっとも理解できぬまま1時間が経過してお店を出ていく。犬派の私としては居心地は正直いって微妙なところだった。
部屋を出たときは午後5時を過ぎていたので、そのまま北上して行きつけの某立ち飲みの店(5時開店)へ寄る。ビールを飲みながらカフェの話をして、
「僕は犬が好きだから、ドッグ・カフェが良いですねえ」
と漏らすと、
「でも、渡部さん。ドッグ・カフェって、犬を連れて入って良いカフェのことやで」
と店の方にドッグ・カフェの定義を教えられてしまった。そ、そうだったのか・・・。
しかし、どこか京都市内で犬に癒される場所はないのだろうか。そうでなかったらは虫類でもインコでもいいのだが。そんなところがあったら覗いてみたい。
余談だが、今回お世話になっているところとは別の派遣会社から仕事を斡旋された時の話である。条件の時給がちょっとシブい数字だったので、
「あのー、ここって交通費は出ませんよね?」
と電話口の女性に訊ねると、
「そうですねー。交通費は”込み”となってますねー」
と返ってきたのでけっこう面食らった。
「いやいやいや・・・”込み”じゃないでしょう?支給されないだけでしょーが」
と言いたかったけれど、なんとか胸の内に収めた。いや、本当のところは呆れて言葉が出なかったのだが。
この派遣会社は定期的に電話がかかってくるので、仕事が決まらなくて「もう終わりか?」という時には世話になろうかと直前まで考えたことが何度もあった。しかしそういう時に限って別のところから仕事が見つかり、結局は縁が無いまま現在に至っている。今回の件が決まってからも数日後に留守番電話が入っていたけれど、出る理由もないのでメッセージの確認も返事もしなかった。すいませんねえ。でも、数ヶ月後にまたかかってくるだろう。
以前の職場は山のすそのような辺鄙な場所だったのに対して、今回はかなり街の中心部へと移った。主要なコンビニ店、マクドナルほかファースト・フードの店舗などが近くにズラッと並んでいる。そんなに詳しい地域でもないので、仕事の帰り道は自転車で景色を確認している。その中で「オッ」と思うものがあった。
それが「ねこカフェ」だった。場所は、行きつけの某立ち飲みの店をずっと南下したところにある。職場とも同じ通りに面していた。たしか出勤1日目の時に見つけたと思う。
店の前に置いてある看板を見ると、1ドリンクがついて1時間1000円、とのことである。カフェに長々といる習慣がない人間なのでこういう店に入る気持ちはあまり起きなかったが、金曜日が終わったということで気持ちも少し疲れていたんだろうか。
「ちょっとネコにでも癒されてみようかな」
と、フラフラと店の扉を開けて中に入ってしまった。店員の女性が出てきて、
「こんな寒い日にありがとうございます」
と言って、まず靴を脱ぐようにお願いされる。カフェといっても、普通の喫茶店の形とは全く違っていた。画像に載せてある通り、じゅうたんの敷かれたスペースに机やソファが置かれている。普通の居間のような感じであった。テレビも置いてある。私以外に先客が3人いた。そして、部屋のいたるところにネコが陣取っている。椅子の上で寝ていたり、ファンヒーターの前で暖をとっていたり、天井のほうの高い場所にいたりしている。合計で7〜8匹はいた。
ドリンクのアップルティーを注文して、窓ぎわの机に座ると、黒くてまだら模様の(あまり可愛くない)ネコが一匹寄ってきた。顔をなでてみたら、いきなり指を軽くかまれてしまう。ぐわあ。
しばらくすると店員がアップルティーをお盆に入れて持って来てくれた。その中にミルクがあったのだが、小さなタッパーに厳重に管理されていて、
「ちゅうい!猫がねらいます」
と但し書きがされている。ここは油断してお茶を飲むことのできない場所のようだ。
しばらくはノートで仕事の手順などを写していたが、やはりネコのことが気になってくる。しかしもっぱら犬しか接したことのない身としては、この動物がどういう行動パターンをとるのかさっぱり理解できない。だっこしてみようとしても、抱かれるのが嫌いなのか「ニャー」と言ってスルッと腕の中から逃げてしまう。
もう一つよくわからなかったのが、写真の三毛猫のしぐさだった。だっこするのもイヤだろうと思い指で顔をなでていたら、自分の頭を私の手にこすりつけてくるのだ。これは友愛のポーズなのだろうか。それとも、単に頭がかゆかっただけなのだろうか。
横を見れば、床であぐらをかいて座っていた男性のところに白猫が寄ってきて、男性の上に乗っかってそのまま眠りに入っているではないか。そういえば、私のあるところの猫にこんなことをされた記憶がある。そんなこんなでネコのことをちっとも理解できぬまま1時間が経過してお店を出ていく。犬派の私としては居心地は正直いって微妙なところだった。
部屋を出たときは午後5時を過ぎていたので、そのまま北上して行きつけの某立ち飲みの店(5時開店)へ寄る。ビールを飲みながらカフェの話をして、
「僕は犬が好きだから、ドッグ・カフェが良いですねえ」
と漏らすと、
「でも、渡部さん。ドッグ・カフェって、犬を連れて入って良いカフェのことやで」
と店の方にドッグ・カフェの定義を教えられてしまった。そ、そうだったのか・・・。
しかし、どこか京都市内で犬に癒される場所はないのだろうか。そうでなかったらは虫類でもインコでもいいのだが。そんなところがあったら覗いてみたい。
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