火曜日の午後11時からNHK-FMで放送されている佐野元春の「元春レイディオ・ショー」を最近は毎週聴いている。もともと音楽について情報を仕入れるのに熱心な人間ではないけれど、先月の特集「新春対談特集"音楽をもっと聴こう"」で小林克也氏ほかゲストとの昔話(FENとかロック喫茶とか)がとても楽しくて興味深く、自分の中で少しだけ音楽への興味がまた少し強くなってきたのである。

ただ、ネックになっているのは番組の放送時間だ。日付が変わるくらいまで起きていたら睡眠時間が全く足りなくなる。そこで、火曜日は仕事が終わって部屋を戻ったらすぐ仮眠をとっておいて番組開始に備えるのだ。そんな小さな努力というか工夫をしながらラジオを聴いてる。

昨日の放送では3月13日に発売される新作アルバム「ZOOEY」(ゾーイー)の中から、1月30日より先行配信されている”世界は慈悲を待っている”が初めて披露された。

佐野元春 & THE COYOTE BAND”世界は慈悲を待っている”
http://www.youtube.com/watch?v=HTlitMhwzTQ

正直いえば、新作は出たら出たで買うつもりだったけれど、とりたてて期待もしてなかった。それは色々な理由があるけれど、例えば前作「Coyote」(07年)の感想は書いたことがあるので参照していただければと思う。

佐野元春「Coyote」(07年)
http://30771.diarynote.jp/200710082027370000/

昨年からTHE COYOTE BANDとツアーをしているものの、足を運ぶような動機も自分にはなかった。しかし”世界は慈悲を待っている”を聴いてからその思いは一変する。佐野は私より20歳上であり、その一回り下の世代であるTHE COYOTE BANDの面々もそれなりの年齢を重ねている。しかしそういう顔ぶれに似つかわしくないほどに瑞々しいメロディと躍動感を持った楽曲である。そして本日、iTunes Storeでこの曲を買ってしまった(昨年の夏にすでに配信済みの”ラ・ヴィータ・エ・ベラ”も)。

「Coyote」の中で私が一番好きなのは”君が気高い孤独なら”という曲である。

佐野元春”君が気高い孤独なら”
http://www.youtube.com/watch?v=rReRPPAkjJU

アルバムの中でも疾走感がひときわ印象的だった。そして”世界は慈悲を待っている”にも同質の魅力があり、元春とTHE COYOTE BANDとの絡みがさらに深まっていることを感じさせる。これがアルバムの冒頭になるとは新作への期待ががぜん高まるではないか。

歌詞については直接聴きとるしかないけれど、

<ありふれた この1日を
かけがえのない 意味ある日にするために>

<新しい誰かと出会うために 新しい場所へと向かい始めた>

などといった一節がなんとなく印象に残っている。今の自分の心境にあっているような気がする。

それにしても、彼の楽曲を聴いてここまで心を動かされたのは本当に久しぶりだ。それこそデビュー時から共に活動したバンドであるザ・ハートランドの解散(94年)から初めてのことかもしれない。こういう時だからこそ言える本音である。

先日、音楽ソフトよりコンサート関係の売上げの方が上回ったというニュースがちょっとした話題になっていた。なんだか音楽産業も行き詰まって久しい印象だが、私の周囲はそんなことは関係ないというばかりにアーロン・ネヴィルに中島美嘉、そしてこの佐野元春など素晴らしい音楽があふれている。好きなミュージシャンが活動する限りそれを追いかける。私がするのはそれだけのことだ。

5月26日には大阪フェスティバルホールで佐野元春&THE COYOTE BANDが新作アルバムをともなったライブをおこなう。その前日25日はBONNIE PINKのファンクラブイベントが同じく大阪で開催されるけれど(私は会員ではないものの、同伴者として参加予定)、今回のライブは充実しそうな予感するので足を運びたいと思う。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索