飛び込んできたスズメのゆくえ
2013年6月18日 日常梅雨前線がまた活発になり、今日も雨が降りそうな空模様であった。しかし始発バスに乗って出勤するのも面倒なので、たぶん大丈夫だろう、と根拠もない考えで自転車に乗った。
午前中は暗い雲が空を覆っていて、マズいなあという感じではあった。ただ昼休みを終えて再び外を見てみると、太陽が顔を出し気温も高くなってきている。
「これなら帰りは濡れて帰らずに済みそうだな」
ホッとして仕事を再開しようとした矢先に、目の前へ小さなものが足下にバーッと飛び込んできた。大きさは虫よりずっと大きい。半信半疑でそれに近づいてみると、それは1羽のスズメだった。
向こうは鳥で、こちらは人間である。全く違う生き物のはずだがその表情を見たとたん、
「なんか怯えているぞ・・・」
と直感した。実際のところこのスズメはまともな行動をとれなかった。空へ飛び去ることができず、低空飛行でそこらを跳ね回っていた。そのままなんと玄関から職場に入ってしまったのである。わざわざ人のいる場所に飛び込むなんて通常ならあり得ない話だ。
そのあとどうしたかといえば、商品を入れるガラスの冷蔵庫の裏側に入ってしまったのだ。明らかに錯乱している。
それを追いかけた職場の人も、
「おーい!出てこい。こいつ・・・めちゃくちゃ怯えてるで・・・」
と私と同じ印象を抱いていた。
周囲の誰かが、
「カラスや、カラスや」
と言っていたので表を見ると、1羽のカラスが近くでウロウロしているではないか。スズメはこれに襲われて逃げていたところだったのだろう。
それからスズメはどうなったか。バタバタしていた時に私はもう午後の業務を始めていたので詳しい顛末はわからない。ただ、どこかに飛び去って職場から消えていったことは確かだった。
それにしても、あのスズメの怯えた表情はもうこちらの同情をひくのに十分だった。捕まえたら部屋に持っていって保護しようかな、などと自分らしくない思いを抱いたほどである。
しかし、果たしてあのスズメは今もまだ生きているのだろうか。そうでなければ、命の尽きる時期がちょっと遅くなっただけ、ということになる。そんなことを考えると、なんともやり切れない気持ちになってきた。
午前中は暗い雲が空を覆っていて、マズいなあという感じではあった。ただ昼休みを終えて再び外を見てみると、太陽が顔を出し気温も高くなってきている。
「これなら帰りは濡れて帰らずに済みそうだな」
ホッとして仕事を再開しようとした矢先に、目の前へ小さなものが足下にバーッと飛び込んできた。大きさは虫よりずっと大きい。半信半疑でそれに近づいてみると、それは1羽のスズメだった。
向こうは鳥で、こちらは人間である。全く違う生き物のはずだがその表情を見たとたん、
「なんか怯えているぞ・・・」
と直感した。実際のところこのスズメはまともな行動をとれなかった。空へ飛び去ることができず、低空飛行でそこらを跳ね回っていた。そのままなんと玄関から職場に入ってしまったのである。わざわざ人のいる場所に飛び込むなんて通常ならあり得ない話だ。
そのあとどうしたかといえば、商品を入れるガラスの冷蔵庫の裏側に入ってしまったのだ。明らかに錯乱している。
それを追いかけた職場の人も、
「おーい!出てこい。こいつ・・・めちゃくちゃ怯えてるで・・・」
と私と同じ印象を抱いていた。
周囲の誰かが、
「カラスや、カラスや」
と言っていたので表を見ると、1羽のカラスが近くでウロウロしているではないか。スズメはこれに襲われて逃げていたところだったのだろう。
それからスズメはどうなったか。バタバタしていた時に私はもう午後の業務を始めていたので詳しい顛末はわからない。ただ、どこかに飛び去って職場から消えていったことは確かだった。
それにしても、あのスズメの怯えた表情はもうこちらの同情をひくのに十分だった。捕まえたら部屋に持っていって保護しようかな、などと自分らしくない思いを抱いたほどである。
しかし、果たしてあのスズメは今もまだ生きているのだろうか。そうでなければ、命の尽きる時期がちょっと遅くなっただけ、ということになる。そんなことを考えると、なんともやり切れない気持ちになってきた。
コメント