朝から暗いニュースが目に入ってしまった。帝国データバンク 10月18日(金)15時43分配信で、

「アルバイトによる悪ふざけで営業停止となったそば屋が破産」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00010000-teikokudb-ind&pos=3

である。

飲食店で「アルバイト」に「悪ふざけ」ときたら、Twitterの投稿しかないだろう。

破産したのは(有)泰尚というところで、今年の夏アルバイトの大学生が洗浄機に入っている画像をTwitterに投稿したことがきっかけで営業停止中だった。

短い記事の中でも、3店あったお店が創業者が逝去してから1店舗だけの経営になった、などと書いているし経営は順調でなかったことがうかがえる。しかし、そこに営業停止がのしかかって今回の破産に至ったのも間違いない。

「twitter 悪ふざけ」というキーワードで検索したら、もうその手の画像が出るわ出るわ、である。線路を歩いている女子高校生、
タバコを持っている未成年らしき男性3人、公衆電話ボックスで花火をする大学生・・・。あまりの光景に背筋が寒くなってしまう。

しかし、こうして見ていくと投稿者は総じて若い人ばかりである。これはつまり、こんな真似をすると後でどうなるかという予測ができるだけの経験や知識や想像力などが決定的に欠けているということなのだろう。

mixiにFacebookにLINEと、SNSが世間に広がってきてから久しい。しかし簡単に発言や画像が投稿できる仕組みが出来上がったおかげで、後先を考えずに行動する人も増えてきてしまった。むやみに自分の名前や顔を晒す行為がどれほど恐ろしいか。どこの誰がそれを見ているのか。そういうことを学習する機会がこれまでに無かったのだろう。

私自身はSNS登場以前に、掲示板とかオフ会とかネットに関わるもので色々と嫌な目に遭った経験をしているので、自分なりにネットとの付き合い方や距離の置き方を学んだつもりである。それは人から忠告されたり、ニュースで上のような事件を知ったりするだけでは不十分なのかもしれない。やはり、実際に痛い目を見ることも必要な気がしてくる。昨日の日記でも書いたが、人間は目の前に危険が迫って初めてそれに気づく生き物なのだ。

かつては「2ちゃんねる」に巣食う連中、またYAHOO!のニュースに匿名で適当なコメントを残す輩を嫌悪してきた。しかし先のtwitter投稿と比べれば、まだ彼らの方が分別があってネットのリスクを理解して行動していると思えてくるから不思議だ。

ネットとの付き合い方に関して、考えさせられた事例をもう一つ挙げておきたい。それは土屋アンナの舞台「誓い〜奇跡のシンガー」の降板に関する一連の動きである。

この話はまず、土屋が無断で稽古を休んだので裁判を起こした、という部分が最初に報道された。それに反応した連中がYAHOOニュースの投稿欄で一斉に土屋叩きを開始する。しかしその直後に舞台の原作者である潮田朝美が、あれは自分が許可していないのに勝手に舞台化された、それを土屋に言ったら彼女が理解してくれた、とブログで土屋を擁護した。するとYAHOOの投稿欄も土屋バンザイに一転して、それと同時に、叩かれるターゲットは舞台制作者側に移ったのである。

そうした群衆の態度の豹変ぶりになんだか呆れるというか嫌な気分になったわけだが、匿名での投稿なんてそんな無責任なものなのだろう。

しかし、同じ時期にfacebookにこの件について触れながら、

「直感でこちら(土屋側)が正しいと思った!応援してるぜ!」

みたいなことを実名で書いている人を見つける。facebookで私と繋がってる人が上の人の発言に「いいね!」をつけたので私のfacebookページにもこれが表示されてしまったのだ。

「直感?実名とアホ面をさらしながら何を言ってるんだよ?そんな発言、匿名でやれよ」

とガックリきてしまった。また、これに「いいね!」をする人についても・・・。

この舞台に関する記事を読んでいると、確かに制作者の方が悪そうには見えてくる。しかし裁判はまだ継続中であり、結果がどうなるかはまだわからない。制作者側が勝つ可能性だって十分にあるし、示談が成立することだってあり得る。そんな状態なのに、「直感」なるものを信じて勢いでSNSで「応援」(あくまでカッコつき)するとかいう神経も凄い。また、こんな「応援」をされたって土屋側もかえって迷惑な気もするが。

さらにいえば、こんなことを書く人間が最後まで裁判を見守っているとは思えない。翌日には自分の投稿した内容も忘れているだろう。その点ではYAHOOに書き込みをする輩も一緒なのだが。

私としては、係争中なのでなんとも言えません、と模範的(というよりも、現状ではそう答えるしかない)な回答ができる人間でありたいと願う。

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