マクドナルドの業績が悪化の一途をたどっている。今年の1−3月期連結決算では営業利益が前年に比べて3割近くも減ってしまったという。

私はもともとマクドをほとんど利用する人間ではなかったけれど、この3年くらいだろうか、よく入るようになった。それはもっぱら自習のためであり、注文するのはせいぜいコーヒーMサイズである(朝はセットメニューを注文する時もある)。それで本やノートを広げて1時間くらい居座るわけだ。客単価は非常に低い。

しかしそうした行為を繰り返しているうちに、自分と同じような立場の人がたくさん店内にいることに気づく。いや、それどころかもっと酷い人も見かけた。ある女性はドカッと椅子に腰掛けて携帯で大きな声で話をしている。なぜわざわざマクドに入って長電話をしなければならないのか全くもって理解不能だった。また、横で5人くらいの若者がワイワイやっているので何かと思ったら、トランプをしていたということもある。最後まで見届けなかったけれど、彼らはどれくらい店内に居続けたのだろう。そしてその客単価は・・・。あの状態を放置しておいて営業利益が減った減ったといっても、それは当然の結果だろう。

振り返ってみれば、100円商品の投入や24時間営業など、マクドナルドは「必要以上に」サービスを充実させてしまったのではないだろうか。しかしそれを突き進んだ結果、ろくにお金を落としもしない割に手間のかかるお客ばかりが集まるようになる。正直いって、上のような客が目につくのでマクドに長時間いることはあまり快適とはいえない。飲食店どころか自習室としての役目も崩壊しつつあるのが現状だ。

村上福之(クレージーワークス代表取締役)さんが、5月10日のブログで「値段を上げると、客質があがり、サポートコストが安くなるというルールがある。」と題してマクドと通底するようなことを書かれている。

http://blogs.bizmakoto.jp/fukuyuki/entry/17669.html

<たとえば、ゲームで高額課金の人ほど、そんなに激しいクレームを言わない。無料ユーザーの方が文句を言う。高額課金ユーザーほど客質がよい。無料ユーザーほどめんどうくさい。>

こうした事例は枚挙に暇が無いようである。

そして最後に、

<景気がよくなると、「お客様のために、安くて、よいものを」というのは、必ずしもベストではないと思う。>

と締めくくっているが、マクドの業務形態を考えると商品の価格を上げて云々という建て直し方は難しい。美味しいものを食べるために訪れる人がそう多いとは思えないからだ。外資系のためか商品の味についてそれほど熱心に開発しているように見えないし、その点で同業他社に大きく水をあけられていることは否定できないだろう。

マニュアル経営の典型のように言われているが、マクドナルドの店員の態度には素晴らしいものはあると思う。しかし、それに反してお客の質がどんどん低下して状況が悪化しているのが痛々しい。

私も1時間250円の有料自習室にいた方が居心地が良くなってきている今日このごろだ。

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