「職場からあいつが消えてくれたら・・・」などと考えている方へ
2015年6月8日 お仕事先日の日記で、現在の派遣先にいる職場のボスについて少し触れてみた。
職場のボスは「電波」の人(2015年5月31日)
http://30771.diarynote.jp/201505310130145606/
この人は、来年の3月いっぱいで定年を迎えることになっている。聞けば裕福な家の出身らしくお金も困っていないようで、定年延長という制度を使わずに組織を去る見込みだ。
日記にも書いた通り、「電波の人」であるボスがスッと消えていくことについて社内の人たちは歓迎している。そりゃあ、意味不明なところでブチ切れたり部下を「悪魔」と陰で呼ぶような人が好かれるはずもない。私も被害者の一人であるから、さっさと彼が消えてくれることは全面的に同意するところだ。
しかし社員の方々と話していると、電波ボスがいなくなったら職場が良くなるだろう、というような希望的観測を持っているようなのが少し気になる。私の場合はボスがいなくなる前には契約期間満了となるので正直どうでもいいことなのだが、ろくでもない人間がいなくなれば組織が良くなるという考えに対しては大いに疑問だ。
私の派遣先は某巨大商社の子会社の一つである。本当に大きなところなので200以上も子会社があるのだが、その中でもここは「潰れる可能性が2番目に高い」という極めて危ういところである。そんな「いつ消えてもおかしくない」会社について明るい展望を持つ人などいない。ましてや「この会社をより良い場所にしていこう!」などと思う社員など存在しないだろう。そういうことを考えれば、職場環境が改善されるということは今後ありえない。5年後、10年後は確実に悪くなっている。いや、会社自体が残っているかどうかも疑わしい。
そんな組織において、嫌な人間が消えたら職場が良くなる、というのは極めて短期的な視点ではないだろうか。
こうした問題を自然環境におきかえてみればわかりやすいだろう。例えばある地域が温暖化で急激に気温が高くなっていくとする。そして気温が下がらないままの状態が長く続けば、暑さに適応できなくなる生き物はやがて死に絶えていく。それでも生き延びようとするならば、もっと快適な場所に移動するか、突然変異を遂げてでも無理やりその環境に合わせるほかない。
要するに、会社という「環境」が根本的に変わらなければ、その中にいる生きもの(社員)が良くなることなどあり得ないのだ。新聞業界がその最たるもので、強みや魅力が一つもなくなり世間から見捨てられて業績も悪くなる一方だから、そこで働く人たちもどんどん腐っていくのみである。
経営者が変われば組織だって変わる可能性があるだろう、という言う人がいるかもしれない。理屈としてはもちろんそうかもしれないが、いつか救世主がどこからか現れて自分を救ってくれるというような「突然変異」を期待しながら現状を耐え忍んで生きていくのは非常に辛い人生ではないだろうか。少なくとも私には我慢できそうもない。
ましてや、いつ潰れてもおかしくない子会社に有能な社長など送られてくることなどあり得ない。こうして会社の枠組みや現状を考えてみると、この派遣先はもう「手詰まり」という気がしてくる。
もしも職場の人間関係に苦しんでいて、「あいつさえいなければ・・・」などと考えている人がいたとしたら、ちょっと落ち着いて会社全体を見渡してみることをお薦めしたい。
「その憎き相手が会社からいなくなったとして、はたして組織が良くなるのだろうか?」
と。
そうすれば、もっと別の視点から見えてくるものがあるかもしれない。ただ、あまりに酷い結論が導き出される可能性も否定はできないけれど。
職場のボスは「電波」の人(2015年5月31日)
http://30771.diarynote.jp/201505310130145606/
この人は、来年の3月いっぱいで定年を迎えることになっている。聞けば裕福な家の出身らしくお金も困っていないようで、定年延長という制度を使わずに組織を去る見込みだ。
日記にも書いた通り、「電波の人」であるボスがスッと消えていくことについて社内の人たちは歓迎している。そりゃあ、意味不明なところでブチ切れたり部下を「悪魔」と陰で呼ぶような人が好かれるはずもない。私も被害者の一人であるから、さっさと彼が消えてくれることは全面的に同意するところだ。
しかし社員の方々と話していると、電波ボスがいなくなったら職場が良くなるだろう、というような希望的観測を持っているようなのが少し気になる。私の場合はボスがいなくなる前には契約期間満了となるので正直どうでもいいことなのだが、ろくでもない人間がいなくなれば組織が良くなるという考えに対しては大いに疑問だ。
私の派遣先は某巨大商社の子会社の一つである。本当に大きなところなので200以上も子会社があるのだが、その中でもここは「潰れる可能性が2番目に高い」という極めて危ういところである。そんな「いつ消えてもおかしくない」会社について明るい展望を持つ人などいない。ましてや「この会社をより良い場所にしていこう!」などと思う社員など存在しないだろう。そういうことを考えれば、職場環境が改善されるということは今後ありえない。5年後、10年後は確実に悪くなっている。いや、会社自体が残っているかどうかも疑わしい。
そんな組織において、嫌な人間が消えたら職場が良くなる、というのは極めて短期的な視点ではないだろうか。
こうした問題を自然環境におきかえてみればわかりやすいだろう。例えばある地域が温暖化で急激に気温が高くなっていくとする。そして気温が下がらないままの状態が長く続けば、暑さに適応できなくなる生き物はやがて死に絶えていく。それでも生き延びようとするならば、もっと快適な場所に移動するか、突然変異を遂げてでも無理やりその環境に合わせるほかない。
要するに、会社という「環境」が根本的に変わらなければ、その中にいる生きもの(社員)が良くなることなどあり得ないのだ。新聞業界がその最たるもので、強みや魅力が一つもなくなり世間から見捨てられて業績も悪くなる一方だから、そこで働く人たちもどんどん腐っていくのみである。
経営者が変われば組織だって変わる可能性があるだろう、という言う人がいるかもしれない。理屈としてはもちろんそうかもしれないが、いつか救世主がどこからか現れて自分を救ってくれるというような「突然変異」を期待しながら現状を耐え忍んで生きていくのは非常に辛い人生ではないだろうか。少なくとも私には我慢できそうもない。
ましてや、いつ潰れてもおかしくない子会社に有能な社長など送られてくることなどあり得ない。こうして会社の枠組みや現状を考えてみると、この派遣先はもう「手詰まり」という気がしてくる。
もしも職場の人間関係に苦しんでいて、「あいつさえいなければ・・・」などと考えている人がいたとしたら、ちょっと落ち着いて会社全体を見渡してみることをお薦めしたい。
「その憎き相手が会社からいなくなったとして、はたして組織が良くなるのだろうか?」
と。
そうすれば、もっと別の視点から見えてくるものがあるかもしれない。ただ、あまりに酷い結論が導き出される可能性も否定はできないけれど。
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