午後3時半ごろにはJR石山駅のホームに着いていた。開場が午後5時ちょうどなのでイスに座って本を読みながらしばらく過ごした。この駅に降り立つのは何年ぶりだろう。以前は滋賀の山奥にある美術館(ミホ・ミュージアム)へ向かうバスを乗るために来たのだが、そういう用事もなければ一生おとずれなかったに違いない。
5月2日の大阪城野外音楽堂から始まった、渡辺美里の47都道府県を回る全国ツアーが現在継続中である。私は京都公演だけ参加するつもりでいたがそれは9月とまだけっこう先の話である。ライブを観るまでは各会場の曲目も確認しないようにしているけれど、何ヶ月もツアーをしていたら内容も多少は変わってくるだろうかという思いもあり、考えた末に「発売中」であった滋賀公演も1枚確保することにした。買ったのは6月に入ってからであり、整理番号は318番だった。
その会場であるライブハウス「ユーストン」(実際の表記はU STONEで、「U
」と「STONE」の間に星印が入る)はその石山駅から徒歩3分ほどのところだった。ここに来ることもおそらく最初で最後だろう。
http://www.ustone.space/
私が入場するのは最後の最後なので開場10分前くらいに入場列に加わったが、最後尾まで行くともうJR石山駅は目の前だった。列はそれくらいまで伸びていた。300人程度でも並ぶとけっこう長くなるものだ。少しずつ入場していったので、私が入る頃にはもう開演まで10分ほどしかなかった。その後ろは当日券を買った人とか10人程度だったので、今日のお客は多く見ても350人くらいかと思われる。ネットで調べたところ収容人数は400人となっていた。よって会場内はもう満杯という感じで、冷房もあまり効かなくなっている。これで待ち時間が1時間に設定されていたらかなり厳しいものがあっただろう。
自分の前はすでに250人は入っていたので、後方の真ん中あたりの隙間に陣取って開演を待つ。後ろといってもステージまでは10メートルもないだろう。近いといえば近い。そして午後5時半を2分ほど過ぎたら照明が落ちて公演開始だ。5月2日と同じように
「1996・・・Spirits」
などと過去のアルバムが順々に紹介されるが、大阪は現在(今年出した「オーディナリーライフ」)からデビュー曲”I’m Free”(85年)までさかのぼる流れが、逆に時系列に沿ってアルバムの名前が出てくる。そうなると最後に出てくる名前は最新アルバムだから1曲目は”青空ハピネス”だろうと思っていたら(5月5日の日比谷公演はこれだった)、”サマータイムブルース”で始まった。
面白かったのは、サックスがバンド・マスターのスパム春日井が担当していたのである。その時になってから「あれ?今日はサックスがいないのか」と気づいたが、サックスまで演奏できるスパムのマルチ・プレイヤーぶりを見て客席はけっこう湧いていた。
曲目は、先月の大阪公演を観た立場としては意外性のない内容に感じる。大阪はそれでも”I’m Free”と”泣いちゃいそうだよ”が披露されたけれど、それが無くなって”Long Night”と(大嫌いな)”ジャングルチャイルド”が入れ替わった格好で、先月に比べてだいぶ平凡な印象になったといえる。1曲でも意外性のあるものを混ぜたら全く感想が変わってくるのだけどね。
ライブ中のMCでは、いろいろなアルバムから歌います、などと言っていた気がするが「オーディナリーライフ」(15年)から「BIG WAVE」(93年)までの22年の間に出た曲がスコーンと抜けているのがこの人の30年を物語っている、といったら言い過ぎだろうか。アンコールを含めて17曲のうち、最新作からは実に9曲、他はライブでの定番という内訳はデビュー30周年と銘打ったツアーの内容としてはどうなのかなという気はする。ただ私はもう期待値ゼロでライブ会場に臨んでいる身なので、この人のことだからこの内容かなという感想しか抱けないが。これで最新アルバムが酷いものだったら、本当に悲惨なライブになっていただろう。
良かったのは、会場が小さいためかいつもより歌声が前面に出ているように聞こえた点である。個人的に今年のベスト・ソングである”オーディナリーライフ”は真に迫るものがあった。これがまた聴けただけでも26日ぶりの貴重な休みを使って滋賀まで行った甲斐はあったかな。
そういえばMCで、滋賀の方はどれくらいいますか?という美里の質問に反応したのは半分もいなかった。大半は大阪もしくは京都あたりから来たお客なのだろう。そしてそういう輩がまたアンコールで「美里!チャチャチャ!とやり出すから本当に嫌になる。「お前ら、そんなことをするためにわざわざ滋賀までやってくるのか!」と言いたくなった。
アンコールを含めて17曲、1時間50分ほどというのはこれまでのライブより短くなった感じがするが、劣悪なライブ会場ということを考えればこれくらいが限度なのかもしれない(終演後に、苦しかった、と外で感想をもらしていた人がちらほら見かけた)。いや、そもそも客の年齢からしてすし詰めのオールスタンディングという設定に無理があるのだが、今後は果たしてどうなっていくのだろう。
とりあえず、私は9月のKYOTO MUSEまでまた静かに過ごすことにする。京都の会場も今夜とさして変わらない環境なのだが。
最後に曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)サマータイムブルース
(2)青空ハピネス
(3)Long Night
(4)夢ってどんな色してるの
(5)BELIEVE
(6)A Reason
(7)点と線
(8)ジャングルチャイルド
(9)今夜がチャンス
(10)涙を信じない女
(11)虹をみたかい
(12)My Revolution
(13)オーディナリーライフ
<アンコール>
(14)10years
(15)Glory
(16)恋したっていいじゃない
(17)ここから
5月2日の大阪城野外音楽堂から始まった、渡辺美里の47都道府県を回る全国ツアーが現在継続中である。私は京都公演だけ参加するつもりでいたがそれは9月とまだけっこう先の話である。ライブを観るまでは各会場の曲目も確認しないようにしているけれど、何ヶ月もツアーをしていたら内容も多少は変わってくるだろうかという思いもあり、考えた末に「発売中」であった滋賀公演も1枚確保することにした。買ったのは6月に入ってからであり、整理番号は318番だった。
その会場であるライブハウス「ユーストン」(実際の表記はU STONEで、「U
」と「STONE」の間に星印が入る)はその石山駅から徒歩3分ほどのところだった。ここに来ることもおそらく最初で最後だろう。
http://www.ustone.space/
私が入場するのは最後の最後なので開場10分前くらいに入場列に加わったが、最後尾まで行くともうJR石山駅は目の前だった。列はそれくらいまで伸びていた。300人程度でも並ぶとけっこう長くなるものだ。少しずつ入場していったので、私が入る頃にはもう開演まで10分ほどしかなかった。その後ろは当日券を買った人とか10人程度だったので、今日のお客は多く見ても350人くらいかと思われる。ネットで調べたところ収容人数は400人となっていた。よって会場内はもう満杯という感じで、冷房もあまり効かなくなっている。これで待ち時間が1時間に設定されていたらかなり厳しいものがあっただろう。
自分の前はすでに250人は入っていたので、後方の真ん中あたりの隙間に陣取って開演を待つ。後ろといってもステージまでは10メートルもないだろう。近いといえば近い。そして午後5時半を2分ほど過ぎたら照明が落ちて公演開始だ。5月2日と同じように
「1996・・・Spirits」
などと過去のアルバムが順々に紹介されるが、大阪は現在(今年出した「オーディナリーライフ」)からデビュー曲”I’m Free”(85年)までさかのぼる流れが、逆に時系列に沿ってアルバムの名前が出てくる。そうなると最後に出てくる名前は最新アルバムだから1曲目は”青空ハピネス”だろうと思っていたら(5月5日の日比谷公演はこれだった)、”サマータイムブルース”で始まった。
面白かったのは、サックスがバンド・マスターのスパム春日井が担当していたのである。その時になってから「あれ?今日はサックスがいないのか」と気づいたが、サックスまで演奏できるスパムのマルチ・プレイヤーぶりを見て客席はけっこう湧いていた。
曲目は、先月の大阪公演を観た立場としては意外性のない内容に感じる。大阪はそれでも”I’m Free”と”泣いちゃいそうだよ”が披露されたけれど、それが無くなって”Long Night”と(大嫌いな)”ジャングルチャイルド”が入れ替わった格好で、先月に比べてだいぶ平凡な印象になったといえる。1曲でも意外性のあるものを混ぜたら全く感想が変わってくるのだけどね。
ライブ中のMCでは、いろいろなアルバムから歌います、などと言っていた気がするが「オーディナリーライフ」(15年)から「BIG WAVE」(93年)までの22年の間に出た曲がスコーンと抜けているのがこの人の30年を物語っている、といったら言い過ぎだろうか。アンコールを含めて17曲のうち、最新作からは実に9曲、他はライブでの定番という内訳はデビュー30周年と銘打ったツアーの内容としてはどうなのかなという気はする。ただ私はもう期待値ゼロでライブ会場に臨んでいる身なので、この人のことだからこの内容かなという感想しか抱けないが。これで最新アルバムが酷いものだったら、本当に悲惨なライブになっていただろう。
良かったのは、会場が小さいためかいつもより歌声が前面に出ているように聞こえた点である。個人的に今年のベスト・ソングである”オーディナリーライフ”は真に迫るものがあった。これがまた聴けただけでも26日ぶりの貴重な休みを使って滋賀まで行った甲斐はあったかな。
そういえばMCで、滋賀の方はどれくらいいますか?という美里の質問に反応したのは半分もいなかった。大半は大阪もしくは京都あたりから来たお客なのだろう。そしてそういう輩がまたアンコールで「美里!チャチャチャ!とやり出すから本当に嫌になる。「お前ら、そんなことをするためにわざわざ滋賀までやってくるのか!」と言いたくなった。
アンコールを含めて17曲、1時間50分ほどというのはこれまでのライブより短くなった感じがするが、劣悪なライブ会場ということを考えればこれくらいが限度なのかもしれない(終演後に、苦しかった、と外で感想をもらしていた人がちらほら見かけた)。いや、そもそも客の年齢からしてすし詰めのオールスタンディングという設定に無理があるのだが、今後は果たしてどうなっていくのだろう。
とりあえず、私は9月のKYOTO MUSEまでまた静かに過ごすことにする。京都の会場も今夜とさして変わらない環境なのだが。
最後に曲目を記す。
【演奏曲目】
(1)サマータイムブルース
(2)青空ハピネス
(3)Long Night
(4)夢ってどんな色してるの
(5)BELIEVE
(6)A Reason
(7)点と線
(8)ジャングルチャイルド
(9)今夜がチャンス
(10)涙を信じない女
(11)虹をみたかい
(12)My Revolution
(13)オーディナリーライフ
<アンコール>
(14)10years
(15)Glory
(16)恋したっていいじゃない
(17)ここから
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