6月16日に中川淳一郎さんが面白いことをTwitterでつぶやいていた。
<SEALDsの奥田愛基が一橋の院に入ったんだって? いやぁ……。すげー不快。>
それに続いて、
<文系国立大学の大学院さぁ、文科省の方針で院生増やしたいかもしれねぇけど、学歴ロンダリング狙いの連中が殺到するような状況をお前ら良しとしてるの? あぁ、ばかじゃねぇの? 一橋、うんこ食ってろ、てめぇら。バカ大学め、中にいる連中も含めててめぇらうんこ食ってやがれ>
ここで初めて「学歴ロンダリング」という言葉を知った。もちろん「マネーロンダリング(資金洗浄)」をもじったものであり、ネット辞典みたいなところでは、
<学歴ロンダリング(がくれきロンダリング)とは、日本で大学院進学の際に自身の出身大学よりも更に上のレベル(学歴)の大学院に進学することを指すインターネットスラングである。別名は大学院ロンダリングであり、ネガティブな意味あいで使われることが多い。略称は学歴ロンダ、院ロンダ。>
ちなみに奥田氏は明治学院大学国際学部を卒業しており、まさに上のような学歴ロンダリングをしようとしているわけだ。一橋のOBである中川さんがそれを知って苦々しい思いに駆られているのがTwitterからも伝わってくる。
奥田氏の話だけならこれで終わっていただろう。が、私もかつて周囲にこのような学歴ロンダリングをおこなっている人を知っている。今回はそれについて書いてみたい。
私は10年ちかく新聞社の子会社でサラリーマン生活を送った経験があるが、会社の先輩がその人だった。確か私が入っていた時に社会人大学院に通っているというのを直接本人に聞いたのだと思う。ある時、職場の飲み会の席で彼から自作の名刺をもらった。そこには「同志社大学博士課程」という文字が印刷されていたのをいまでも覚えている。ただ彼は京都市内にある某私立大学(特に名を秘す)に一浪して入っていたこともどこかで知っていた。その時は、仕事も忙しいのにわざわざ大学院に入って勉強しているのかねえ、と少し訝しく感じたが、それ以上は特に気にも止めなかった。物好きな人だなあ、と思ったくらいである。
それから5年ほどして、新聞グループの大幅な組織再編という出来事が起きる。そのあおりを受けて私たち子会社の社員はいったん今の会社を辞めて、新しくできる会社にまた入社しなおすという経験をする。第三者から見れば会社のやり方はだいぶ理不尽なものだったようだが、それはともかく、私たちは「新会社の第一期生」として生まれ変わり、ご丁寧に新年度の社報で顔写真入りの紹介がされたのである。
それをもらってパラパラめくって吹き出したのは、かの先輩社員の欄だった。
彼の学歴が、
「同志社大学院」
となっていたからである。
「嘘でしょう?おたくの学歴は○○大じゃないの?詐称でしょうこれ?サッチーでしょう?」
と心の中で叫んでしまったが、これはまさに学歴ロンダリングの典型であった。そして先輩社員は社報という学歴を披露する機会を見逃さなかったのである。さすがというほかはない。
それにしても、この学歴ロンダリングであるが、費用対効果は一体どんなものだろう。同志社大学の公式サイトで、大学院に入ってから派生する費用を調べてみたら、入学金(28万円)とか授業料(55万8000円)とか「教育充実費」(10万9000円)というよくわからないものを含めて、100万円前後になるようだ。大学院を2年で修了するとして授業料はもう1回払ったら150万円まで跳ね上がるだろう。
授業のシステムもよくわからないが、仕事の終わりの夜間か、土日に通うという方法しかないだろう。仕事終わりや休日の貴重な時間を割いて、高い授業料を払って勉強する生活を2年も続けて院を修了してどれほど実益があるかといえば・・・個人的にはかなり辛いものがあるように感じる。
学歴ロンダリングの大きな欠点は「見る目のある人にはすぐ見抜かれる」というところだろう。履歴書を見て本人と直接面接すれば、こんな稚拙な学歴操作など一瞬で見抜かれてしまう。
それでもこうした真似をする人が出てくるのは、ひとえに学歴コンプレックスが高かったというしかない。もちろん人間誰しも自尊心というものがあるから一概にバカにもできないだろうが、貴重なお金と時間を費やして先輩社員ができたことといえば、自作の名刺や社報にロンダリングした学歴を載せたくらいである。
果たして、彼の虚栄心はこれで満足できたのだろうか。そして奥田氏も同じような思いで一橋の院に入ったのだろうか。まあ、そこまでしたいと思わない人間にはほとんど理解不能な行動なのだが。
<SEALDsの奥田愛基が一橋の院に入ったんだって? いやぁ……。すげー不快。>
それに続いて、
<文系国立大学の大学院さぁ、文科省の方針で院生増やしたいかもしれねぇけど、学歴ロンダリング狙いの連中が殺到するような状況をお前ら良しとしてるの? あぁ、ばかじゃねぇの? 一橋、うんこ食ってろ、てめぇら。バカ大学め、中にいる連中も含めててめぇらうんこ食ってやがれ>
ここで初めて「学歴ロンダリング」という言葉を知った。もちろん「マネーロンダリング(資金洗浄)」をもじったものであり、ネット辞典みたいなところでは、
<学歴ロンダリング(がくれきロンダリング)とは、日本で大学院進学の際に自身の出身大学よりも更に上のレベル(学歴)の大学院に進学することを指すインターネットスラングである。別名は大学院ロンダリングであり、ネガティブな意味あいで使われることが多い。略称は学歴ロンダ、院ロンダ。>
ちなみに奥田氏は明治学院大学国際学部を卒業しており、まさに上のような学歴ロンダリングをしようとしているわけだ。一橋のOBである中川さんがそれを知って苦々しい思いに駆られているのがTwitterからも伝わってくる。
奥田氏の話だけならこれで終わっていただろう。が、私もかつて周囲にこのような学歴ロンダリングをおこなっている人を知っている。今回はそれについて書いてみたい。
私は10年ちかく新聞社の子会社でサラリーマン生活を送った経験があるが、会社の先輩がその人だった。確か私が入っていた時に社会人大学院に通っているというのを直接本人に聞いたのだと思う。ある時、職場の飲み会の席で彼から自作の名刺をもらった。そこには「同志社大学博士課程」という文字が印刷されていたのをいまでも覚えている。ただ彼は京都市内にある某私立大学(特に名を秘す)に一浪して入っていたこともどこかで知っていた。その時は、仕事も忙しいのにわざわざ大学院に入って勉強しているのかねえ、と少し訝しく感じたが、それ以上は特に気にも止めなかった。物好きな人だなあ、と思ったくらいである。
それから5年ほどして、新聞グループの大幅な組織再編という出来事が起きる。そのあおりを受けて私たち子会社の社員はいったん今の会社を辞めて、新しくできる会社にまた入社しなおすという経験をする。第三者から見れば会社のやり方はだいぶ理不尽なものだったようだが、それはともかく、私たちは「新会社の第一期生」として生まれ変わり、ご丁寧に新年度の社報で顔写真入りの紹介がされたのである。
それをもらってパラパラめくって吹き出したのは、かの先輩社員の欄だった。
彼の学歴が、
「同志社大学院」
となっていたからである。
「嘘でしょう?おたくの学歴は○○大じゃないの?詐称でしょうこれ?サッチーでしょう?」
と心の中で叫んでしまったが、これはまさに学歴ロンダリングの典型であった。そして先輩社員は社報という学歴を披露する機会を見逃さなかったのである。さすがというほかはない。
それにしても、この学歴ロンダリングであるが、費用対効果は一体どんなものだろう。同志社大学の公式サイトで、大学院に入ってから派生する費用を調べてみたら、入学金(28万円)とか授業料(55万8000円)とか「教育充実費」(10万9000円)というよくわからないものを含めて、100万円前後になるようだ。大学院を2年で修了するとして授業料はもう1回払ったら150万円まで跳ね上がるだろう。
授業のシステムもよくわからないが、仕事の終わりの夜間か、土日に通うという方法しかないだろう。仕事終わりや休日の貴重な時間を割いて、高い授業料を払って勉強する生活を2年も続けて院を修了してどれほど実益があるかといえば・・・個人的にはかなり辛いものがあるように感じる。
学歴ロンダリングの大きな欠点は「見る目のある人にはすぐ見抜かれる」というところだろう。履歴書を見て本人と直接面接すれば、こんな稚拙な学歴操作など一瞬で見抜かれてしまう。
それでもこうした真似をする人が出てくるのは、ひとえに学歴コンプレックスが高かったというしかない。もちろん人間誰しも自尊心というものがあるから一概にバカにもできないだろうが、貴重なお金と時間を費やして先輩社員ができたことといえば、自作の名刺や社報にロンダリングした学歴を載せたくらいである。
果たして、彼の虚栄心はこれで満足できたのだろうか。そして奥田氏も同じような思いで一橋の院に入ったのだろうか。まあ、そこまでしたいと思わない人間にはほとんど理解不能な行動なのだが。
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