新作発売も来日公演も来日公演中止も、全く知りませんでした
2011年5月12日 音楽知り合いと飲んでいた時に、最近CDをほとんど買っていないことにふと気づいた。
新作だったら渡辺美里、BONNIE PINK、eastern youthといった自分にとって特別なミュージシャンを必ず買うくらいである。昔のCDにいたっては、ブックオフなどはよく足を運ぶものの買うのはもっぱら書籍だ。
時代をさかのぼってみると、よくCDを買っていたのは高校生から01年くらいまでの時期だったと思う。01年は私が社会を出た年である。そして仕事をするようになってからはライブに行く機会が飛躍的に多くなっていった。それは自由に使えるお金が増えたためだろうが、普通は社会に出ると忙しくなってライブなどには行けなくなるという人のほうが多いだろう。我ながらおかしな人生を送っている気がする。
CDを買わなくなった理由は色々あるけれど、
「たくさん音楽を聴いたからといって必ずしも幸せになれるわけでもないし、人間性が良くなるわけでもないんだな」
と悟ったのがやはり大きかった。たくさんのCDやライブに接しているであろう音楽ライターと言われる人たちの末路を見ていると、そういう気持ちになってしまうのは仕方ない。また、正式に数えてはいないが、私の部屋には600枚くらいはCDがあるので、これをたらい回しに聴いていっても死ぬまで退屈することは無いに違いない。いずれにしても、私にとってCDとか音楽はそれなりに満ち足りている状態になっているのだろう。
ただ、音楽雑誌を読むなど情報を入れるのを怠っていると、好きなミュージシャンが来日しているのを見落とす場合も出てくることがある。今日「ミュージック・マガジン」5月号のライブ情報のページをめくったら「リチャード・トンプソン」という名前を見つけて、
「しまった!全く知らなかった!」
とガックリ肩を落とした。大阪公演は「4月23日」のビルボードライブ大阪となっていた。もう少し早くこの情報を知っていたら絶対に行っていたのに・・・。
さきほどの話に戻るが、CDを買わなくなるのに反比例してライブへ行くようになったのは、やはり、
「これを見逃したらもう二度と観られないだろうな」
という思いが頭をよぎってしまうからだろう。よって、たいして興味もないミュージシャンでも一回くらいは見ておいたほうが良いかなとチケットを買ってライブ会場に足を運んだものだ。私が観た人で鬼籍に入ったのはジェイムス・ブラウンくらいだと思うが、あと20年もすれば多くのミュージシャンは・・・という感じである。
ただ、凄いとか感動したとかいう内容のライブにはなかなか出会えないのが正直な感想だ。ポッと出のミュージシャンなどほとんど観ないので大ハズレのライブというのもほとんど記憶にないが、まあこんなもんかな、というのが大半である。しかし、10年前(01年2月24日、心斎橋クラブクアトロ)に観たリチャード・トンプソンのライブは間違いなく「凄い!」と人に言いふらせるものだった。トンプソンがエレアコ一本を抱えるのみという一見寂しそうな編成だったが、一人で3人は演奏している姿は素人目でも驚異的だった。最前列で観たあのトンプソンの勇姿をもう一度とずっと思っていた、のだったが。
せめて演奏曲目でも知りたいと思った私は、mixiのコミュニティをたどってみた。コミュニティの参加人数は300人足らずである。少ないなあ。しかし来日直後だし盛り上がっていることだろう、と最初は思ったが、ライブ情報らしきものが載っていない。いくつかのトピックを調べみると、驚愕の事実が判明した。
震災の影響で、来日が取りやめになっていたのだ。あららららぁ。
そういえば01年の時、トンプソンはタバコが嫌いなので吸わないでください、というようなアナウンスが流れていたことを思い出した。タバコの煙すら嫌がるほど神経質な人だから、放射能の漏れている国に足を踏み入れるなど論外だったんだろうなあ。
それはともかく、トンプソンの公式サイトでは来年に来日公演を再調整をしているという話も出ているという。私はすぐさま2012年に備えてトンプソンのコミュニティに入ることにした。これで来日情報を見失うこともないだろう。
トンプソンの情報といえば、3年ぶりの新作「ドリーム・アティック」(10年)が出ているのも知らなかった。国内盤も出ているようだし、見つけたら買っておきたい。これを聴きながら、来日公演を待とう。