デジタル化によりテレビ塔はどうなる
2011年8月15日「産経新聞」 8月14日(日)2時11分配信の記事で、
「地デジ化余波でテレビ塔収入激減 名古屋など存続危機」
という見出しを見つけたので読んでみた。この時に初めて知ったが、東京タワーや名古屋テレビ塔などの「電波塔」というのはアナログ電波を送ることによる関連収入によって運営されている。しかしこのたびのデジタル化によって大幅に収入が下がってしまう。例えば国内初のテレビ塔である名古屋テレビ塔の場合、テレビ局が支払っていた年間約8千万円の放送機器やアンテナの設置料が無くなってしまう。今年度はなんとか黒字にできそうだが来年度以降はもう厳しいらしい。
今後の対策としては、
<名古屋テレビ塔は「アナログ後」の活性化策としてリニューアル計画を策定。放送関連機器が設置されていた部分を飲食や物販などのテナントに改修し、現在30万人弱の入場者を50万人に引き上げる。減収分を「入場料でカバーする」(同社)考えだ。>
電波について何もわからない素人でも、こんなの無茶ですよ、というような荒唐無稽な計画だ。既得権だった放送収入が途絶えた途端、その穴を入場料で埋めようなどというのは絶対に不可能だからだ。
実際この記事の後半では、タワーを取り巻く惨状を伝えている。
<名古屋テレビ塔の入場者は最盛期の3分の1以下に落ち込んでいる。同様にラジオ放送の送信に特化するさっぽろテレビ塔(札幌市)も、22年度の入場者数は約34万人と、3年間で10万人も減り、収支も赤字が続く。さっぽろテレビ塔の運営会社は「東京など大都市は別格だが、地方のタワーは厳しい」という。>
大都市とか地方ということではなく、そもそも入場料だけで黒字にしている施設が日本国内にどれだけあるかというのが現実的な問題だろう。以前に大学の授業(博物館学)で聞いた話では、美術館・博物館であれば大阪城の天守閣など数えるほどしか存在しないという。タワー会社にしてみたらいい加減な国策のとばっちりを受けた格好かもしれないが、こういうことはずっと前に予測していたことではないか。まさか計画が撤回されるとでも思っていたとか?
いずれにせよ、このままでは経営が立ち行かなくなるのは明らかである。全国どこでもタワーというのは観光スポットとして有名だけれど、存続できなくなってしまったらとり壊されてしまうのだろうか。あれだけ立派に作られるとそれも無理な気もするが。
「地デジ化余波でテレビ塔収入激減 名古屋など存続危機」
という見出しを見つけたので読んでみた。この時に初めて知ったが、東京タワーや名古屋テレビ塔などの「電波塔」というのはアナログ電波を送ることによる関連収入によって運営されている。しかしこのたびのデジタル化によって大幅に収入が下がってしまう。例えば国内初のテレビ塔である名古屋テレビ塔の場合、テレビ局が支払っていた年間約8千万円の放送機器やアンテナの設置料が無くなってしまう。今年度はなんとか黒字にできそうだが来年度以降はもう厳しいらしい。
今後の対策としては、
<名古屋テレビ塔は「アナログ後」の活性化策としてリニューアル計画を策定。放送関連機器が設置されていた部分を飲食や物販などのテナントに改修し、現在30万人弱の入場者を50万人に引き上げる。減収分を「入場料でカバーする」(同社)考えだ。>
電波について何もわからない素人でも、こんなの無茶ですよ、というような荒唐無稽な計画だ。既得権だった放送収入が途絶えた途端、その穴を入場料で埋めようなどというのは絶対に不可能だからだ。
実際この記事の後半では、タワーを取り巻く惨状を伝えている。
<名古屋テレビ塔の入場者は最盛期の3分の1以下に落ち込んでいる。同様にラジオ放送の送信に特化するさっぽろテレビ塔(札幌市)も、22年度の入場者数は約34万人と、3年間で10万人も減り、収支も赤字が続く。さっぽろテレビ塔の運営会社は「東京など大都市は別格だが、地方のタワーは厳しい」という。>
大都市とか地方ということではなく、そもそも入場料だけで黒字にしている施設が日本国内にどれだけあるかというのが現実的な問題だろう。以前に大学の授業(博物館学)で聞いた話では、美術館・博物館であれば大阪城の天守閣など数えるほどしか存在しないという。タワー会社にしてみたらいい加減な国策のとばっちりを受けた格好かもしれないが、こういうことはずっと前に予測していたことではないか。まさか計画が撤回されるとでも思っていたとか?
いずれにせよ、このままでは経営が立ち行かなくなるのは明らかである。全国どこでもタワーというのは観光スポットとして有名だけれど、存続できなくなってしまったらとり壊されてしまうのだろうか。あれだけ立派に作られるとそれも無理な気もするが。