最後の最後まで会社に依存していた人
2011年8月19日前の職場で一緒だった方から、Kさんが7月10日に93歳で亡くなりました、という旨のメールが届く。Kさんは会社のOBで、会社の株式も持っていて株主総会にもいつも顔を出していたらしい。彼はある目的で私のいた職場にもときどき顔を出していた。
私は以前の会社の大半を新聞社が主催する事業(イベント)に関わる職場にいた。テレビ局や新聞社はスポーツや展覧会など色々なイベントをおこなっている。そしてその招待券も当該部署にいけば置いてある場合が多い。しかしそれはもちろん社内の人や取引先、広告主に渡すためのものである。
Kさんはそうした招待券を目当てに職場に来ていたのだ。展覧会の招待券はまだ枚数はそこそこあるとしても、社外にほとんど出していない映画試写会の招待券までもらって行った。現在会社にいる人でKさんが現役の時を知っている社員などほとんどいない(編集にいたらしいが)。面識のある人が誰もいないのに堂々ともらっていく姿を見ていると、ずいぶん図太い神経をしているんだなと感じたものだ。
そんなKさんの姿を見ていた当時の上司が、
「辞めてからも会社に来るなんて、ずいぶんいい思いをしてきたんやろうなあ。俺だったらもう二度と来ないで」
などと言っていたらしい。全く同感である。例えば大学時代にいた同志社大学の図書館やラウンジはよく利用するものの、在籍してた心理学実験室などには近寄る気は一切おきない(良い思い出が一つもないからね)。職場については、挨拶したい人もいるし一回くらいは訪れるかもしれないが。
それにしても招待券というのは、職場にいた時はそこらに転がっていたのでたいして価値などないと思っていたけれど、そこから離れてしまったとたん入手が困難になってしまう。時おり知り合いから券を頼まれることもあるけれど、広告営業に異動して渡すこともできなくなった時は、
「お前、異動して何も取り柄がなくなったな」
などと冷たく言われたこともある。ううう。確かに営業部で提供できるサービスなんて何ひとつ無い・・・。しかしKさんのような図太さを大半の人は持っていないから、職場を離れた社員は券をもらいに行くどころかそもそも職場にも足を踏み入れない。良い思い出が無かったんだな(笑)
そういえばKさん以外にも招待券をもらいたがっていた人間がいたのを思い出した。そいつは携帯でかつての上司に連絡して招待券を送ってもらっていた。それについては目をつぶるとしても(つぶりたくないが)、会社の郵便で券を送るという行為は明らかにおかしい。かつての後輩もメールを通じてそいつに券を催促されたことあり(図々しいですねえ)、わけもわからないまま郵送費を自腹で送ったと聞いたことがある。しかしそれが常識的な対応だろう。私だったら送りもしないけどね。
それはともかく、新聞で展覧会の情報を見つけるたびに職場にきたであろう笠井さん、本当にお疲れさまでした。せいぜい私はあなたのような人間にだけはならないとこの場で誓わせていただきます。
私は以前の会社の大半を新聞社が主催する事業(イベント)に関わる職場にいた。テレビ局や新聞社はスポーツや展覧会など色々なイベントをおこなっている。そしてその招待券も当該部署にいけば置いてある場合が多い。しかしそれはもちろん社内の人や取引先、広告主に渡すためのものである。
Kさんはそうした招待券を目当てに職場に来ていたのだ。展覧会の招待券はまだ枚数はそこそこあるとしても、社外にほとんど出していない映画試写会の招待券までもらって行った。現在会社にいる人でKさんが現役の時を知っている社員などほとんどいない(編集にいたらしいが)。面識のある人が誰もいないのに堂々ともらっていく姿を見ていると、ずいぶん図太い神経をしているんだなと感じたものだ。
そんなKさんの姿を見ていた当時の上司が、
「辞めてからも会社に来るなんて、ずいぶんいい思いをしてきたんやろうなあ。俺だったらもう二度と来ないで」
などと言っていたらしい。全く同感である。例えば大学時代にいた同志社大学の図書館やラウンジはよく利用するものの、在籍してた心理学実験室などには近寄る気は一切おきない(良い思い出が一つもないからね)。職場については、挨拶したい人もいるし一回くらいは訪れるかもしれないが。
それにしても招待券というのは、職場にいた時はそこらに転がっていたのでたいして価値などないと思っていたけれど、そこから離れてしまったとたん入手が困難になってしまう。時おり知り合いから券を頼まれることもあるけれど、広告営業に異動して渡すこともできなくなった時は、
「お前、異動して何も取り柄がなくなったな」
などと冷たく言われたこともある。ううう。確かに営業部で提供できるサービスなんて何ひとつ無い・・・。しかしKさんのような図太さを大半の人は持っていないから、職場を離れた社員は券をもらいに行くどころかそもそも職場にも足を踏み入れない。良い思い出が無かったんだな(笑)
そういえばKさん以外にも招待券をもらいたがっていた人間がいたのを思い出した。そいつは携帯でかつての上司に連絡して招待券を送ってもらっていた。それについては目をつぶるとしても(つぶりたくないが)、会社の郵便で券を送るという行為は明らかにおかしい。かつての後輩もメールを通じてそいつに券を催促されたことあり(図々しいですねえ)、わけもわからないまま郵送費を自腹で送ったと聞いたことがある。しかしそれが常識的な対応だろう。私だったら送りもしないけどね。
それはともかく、新聞で展覧会の情報を見つけるたびに職場にきたであろう笠井さん、本当にお疲れさまでした。せいぜい私はあなたのような人間にだけはならないとこの場で誓わせていただきます。