玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開について説明するために国の主催で開催したケーブルテレビ番組で、九州電力が再開を支持する内容のメールを送るよう関連会社に要請したことが発覚する。そもそもこの番組自体が県民側からは国が選んだ7人しか参加できなかったり、また放送されるのも地上波放送ではなくケーブルテレビとネットだけだったりとかなりアヤシイ設定ではあった。これはもはや、住民に説明はしました、というアリバイ作りとしか思えない代物である。しかもその上にこのやらせメールだ。バカバカしいにもほどがある。

もちろん世間の目は一様に厳しい。本日(7月7日)9時30分配信の「毎日新聞」の記事では、

<玄海原発の元警備員で、同原発から約1キロの場所に住む同町の農業男性(75)は「町内は原発関連の仕事をしている人が多い。安全性の確認を徹底してくれれば運転再開に同意するから、そんな不正をする必要はないのに」と首をかしげる。佐賀市の会社員の男性(61)は説明番組自体が「県民7人しか参加できず、推進派の作為的なやり方と感じた」と話し、「九電は反対意見を封じ込めるのではなく、それに一つ一つ答える姿勢を持つべきだ」と批判した。>

という近隣に住んでいる人たちの声を紹介している。当たり前すぎて補足する言葉が見つからない。そんなに原発再開をしたいのなら、こうした手続きがまず必要なのではないか。

この一連の出来事から透けて見えるのは、真摯に説明や説得をすることなく情報操作で自分たちの意のままに世間を誘導してやろうという国や企業の傲慢で不遜な思い上がった態度だ。ふざけんな。

しかしながら、今回の話はあまりにバカすぎて極端だろうけれど、いままで生きてきているうちにテレビなどのメディアの間違った情報を無条件に受け入れて頭に刷り込まされてきたのかなあと、この歳(35歳)になって考え込んでしまった。先日はテレビが面白くなくなったことについて触れたけれど、それくらいならまだ害はそんなにあるわけではない。しかし、こういう情報操作に乗ってしまうかもしれないと思うとテレビをつけるのも怖くなってくる今日このごろだ。

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