生まれて初めて「週刊新潮」を買いました
本日の昼間、堀川寺之内のローソンで「週刊新潮」2011年7月21日号を買った。価格は340円、この雑誌を購入したのは生まれて初めてのことである。なぜかといえば、以前いた会社が記事で取り上げられているからだ。もちろん良い話で載っているわけではない。

題名は、

「覚醒剤退職者を執行役員で採用した恐るべき京都新聞」

というものである。発端は6月29日の株主総会において、白石京大(しらいし・きょうた)氏がいきなり執行役員に就任されたことだ。京大氏はかつて日本新聞協会の会長を努めた故・白石古京(こきょう)の孫にあたる。京都新聞は白石一族が経営権を完全に掌握している同族企業だ。その御曹司の京大氏も新聞社に入社し報道カメラマン、販売局員と歴任し、そろそろ役員に就任するかと思われていた矢先の2005年2月に覚醒剤所持の件で逮捕される。懲戒解雇などの処置はなくその直前に依頼解職という形で社を去っており、そのやり方については社内でも疑問が出ていた。しかしあれから6年が経ち、京大氏はまた会社に舞い戻ってきてしまったのである。

しかし、ここまで酷い話は珍しいにしても、新聞社でおかしな経営や人事をおこなっているところは珍しくない。それはなぜか。

全国紙でも地方紙においても、新聞社というのは株式を上場していない。表向きの理由は「大株主に支配されたら公共メディアとしての中立性が損なわれる!」などと言っているけれど、その裏側では外圧を恐れることなく株主が好き勝手に密室で経営をしているわけだ。これはもう構造的な問題であろう。

無論、こうした会社では人事にケチをつけられる者など社内にはいない。もし役員がそんなこと言ったりしたらすぐ会社から放り出されるだろう。現場や労働組合から何か言われたら(これも所詮ポーズでしかない。まさか抗議で辞任なんて誰もしないよね?)、「もう『みそぎ』は済んだ!」とか「逮捕歴があるからというのは差別だ!」と苦し紛れなことを言って火消しに専念するのだろう。かつていた会社だからそのあたりのところは容易に想像がつく。

私はもはやこの会社と関係はないし、何か批判や抗議をしたいわけではない。それより、新聞というのは構造的にもう駄目なんですよ、と色々な角度から指摘したいだけだ。

ただ個人的には、こうした醜聞(スキャンダル)によって、京都新聞の販売店を回っている社員が現場で嫌なことを言われてるんじゃないかなと想像してしまう。編集でも広告でも事業でも、末端にいる人がこういうことで被害を受けるのである。役員連中がそんなこと知るよしもないだろうが。

この記事でなぜか、毎日新聞元編集委員でジャーナリストの徳岡孝夫という人がこんなコメントを出している。

<京都新聞は夏に比叡山でお化け屋敷を主催していて、学生だった僕らは”全国紙が主催するのは高校野球なのに”と冷やかしていたものです。そんな新聞社の社主の孫ですから、覚せい剤くらいやっても驚きませんよ。ただ、逮捕から6年、そろそろまたやりたくならなければいいのですが>

高校野球だろうがお化け屋敷だろうが、そんな何十年前の話はいまさらどうだっていいだろう。京都にしろ毎日にしろ、本当は潰れているはずなのに存続している「ゾンビ会社」なのだから、中にいる人のレベルも推して知るべしである。そんな空しさを感じる記事であった。

しかしこれから何年かして、果たして白石一族は京大氏を晴れて社長にさせてしまうのだろうか。その時はもっと大きな記事で週刊新潮には取り上げてもらえたらと願う。

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