この秋にアコースティックでのライブ・ツアーが決まっているBONNIE PINKが9月21日にアルバムを発売するというニュースが入った。ツアーをするなら何らかの作品を出すのかなとは思っていたけれど、「Back Room -BONNIE PINK Remakes-」と題されたその中身は「リメイクアルバム」だという。

リメイクアルバムなんて言葉は初めて聞いたぞと最初は思ってけれど、言葉の響きだけでだいたい内容の想像はついてしまう。これまで出した楽曲を録音した「セルフ・カバー・アルバム」の名前をリメイクなどと名前を変えただけだ。

収録曲は、

・Heaven’s Kitchen (from 02nd album "Heaven’s Kitchen")
・Last Kiss (from 07th album "Even So")
・Do You Crash? (from 02nd album "Heaven’s Kitchen")
・A Perfect Sky (from best album "Every Single Day -Complete BONNIE PINK(1995-2006)")
・Tonight, the Night (from 06th album "Present")
・Present (from 06th album "Present")
・Ring A Bell (from 10th album "ONE")
・Paradiddle-free (from 08th album "Golden Tears")
・Burning Inside (from 09th album "Thinking Out Loud")
+新曲1曲

という構成になっている。彼女がブレイクしたきっかけとなる”Heaven’s Kitchen”や、紅白歌合戦で披露した”A Perfect Sky”は妥当な線であるものの、それ以外はなかなか微妙な選曲であり、どういう意図をもって選んだのかは興味深い。

しかしセルフ・カバー、いやリメイクアルバムと聞いただけでテンションがガックリと下がったことは否定できない。これまで自分の好きなミュージシャンも同様の趣向でアルバムを出しているけれど、渡辺美里の「Dear My Songs」(08
年)にしろ、佐野元春の「月と専制君主」(11年)にしろ、繰り返し聴くのはなかなか厳しい内容ばかりであったのことが脳裏によぎる。

カバーを出す時は行き詰まっている時、などと大滝詠一がどこかの文章で書いていたことがある。確かに他人の楽曲を歌うカバーという行為は創作意欲が高まっている時にするものではないだろう。ましてや、自分の曲を採録するというのは・・・。

別に出したからといって非難や批判をするつもりもないけれど、そういうことを念頭において、期待値ゼロの気持ちで9月のアルバムを待ってみることにしたい。

別に意地悪を言いたいのではなくて、セルフカバーなんてそんなものなんですよ。

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